2016/11/24
2020/04/14
周辺確率とは?例を交えてわかりやすく解説
周辺確率とは、ただ一つだけの事象が起きる確率です。例えば、\(X\)の周辺確率とは、他の事象に関係なく、事象\(X\)が発生する確率を指します。周辺確率は、周辺確率を求めたい事象とその他の事象の同時確率の総和で求められます。\(X\)の周辺確率は\(P(X)\),周辺確率密度関数は、\(f(X)\)と表記されます。
以下で周辺確率について具体例を交えて説明していきます。
表から周辺確率を求める方法
下の表は、とある高校の学生・教員の登校手段を表したものです。横軸が登校手段、縦軸が男子・女子・教員の分類になっており、表は無作為に選んだ一人がそこに所属する確率を表しています。
例えば、無作為に取り出した一人が教員であり、電車通学である確率は
\(P(教員,電車) = 0.1\)
となります。
自転車 | 徒歩 | 電車 | 車 | |
---|---|---|---|---|
男子 | 0.15 | 0.1 | 0.1 | 0.01 |
女子 | 0.1 | 0.2 | 0.05 | 0.04 |
教員 | 0.05 | 0 | 0.1 | 0.1 |
このとき、例えば自転車通学の周辺確率は、男子・女子・教員に関わらず自転車通学の人である確率を求めればいいので、以下のような計算式で表すことが出来ます。
\(P(自転車) = 0.15 + 0.1 + 0.05 = 0.3\)
同様にして、
\(P(徒歩) = 0.1 + 0.2 + 0 = 0.3\)
\(P(男子) = 0.15 + 0.1 + 0.1 + 0.01 = 0.36\)
\(P(女子) = 0.1 + 0.2 + 0.05 + 0.04 = 0.39\)
\(P(電車) = 0.1 + 0.05 + 0.1 = 0.25\)
と様々な周辺確率を求めることができます。
同時確率密度関数から周辺確率密度関数を求める
\(X,Y\)の同時(結合)確率密度関数が以下のように与えられているとき、\(X\)と\(Y\)の周辺確率密度関数をそれぞれ求めよ。
$$f_{X,Y}(x,y) = \begin{cases} 4xy& 0<x<1, 0<y<1 \\ 0& (その他) \end{cases}$$
解説
\(0<x<1\)において、
\(\begin{eqnarray*}f(x) &=& \int_0^1f_{X,Y}(x,y) dy \\ &=&\int_0^1 4xy dy \\ &=& 2x\end{eqnarray*} \)
より、
\(f(x) = \begin{cases} 2x& 0<x<1 \\ 0& (その他) \end{cases}\)
また同様にして、
\(f(y) = \begin{cases} 2y& 0<y<1 \\ 0& (その他) \end{cases}\)
ここで、問題の解説は終わりです。余談になりますがこの問題の場合、周辺密度関数から\(X\)と\(Y\)が独立であると言えます。独立なとき、
\(f(X,Y) = f(X)f(Y)\)
が成り立ちます。この問題の場合、\(0<x1,0<y<1\)において
\(f_{X,Y}(x,y) = 4xy = 2x × 2y = f(x)f(y)\)
より独立が証明できます。
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