2016/09/22
2020/05/05
二項分布の期待値・分散の導出(証明)
確率質量関数 | $$P(X=k)=\begin{pmatrix}n \\ k\end{pmatrix} p^{k}{(1-p)}^{n-k}$$ |
期待値 | $$E(X)=np$$ |
分散 | $$V(X)=np(1-p)$$ |
積率母関数 | $$M_{X}(t)={(\mathrm{e}^tp+1-p)}^n$$ |
※\(\begin{pmatrix}n \\ k\end{pmatrix}\)は\(_n C_k\)と同義
当ページは確立質量関数からの二項分布の期待値・分散の導出過程を記しています。積率母関数(モーメント母関数)からの導出を知りたい方は、積率母関数を用いた二項分布の期待値・分散の導出のページをご覧ください。
期待値の導出(証明)
\(\begin{eqnarray*}E(X)&=&\sum_{k=0}^{n}kP(X=k)\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k\begin{pmatrix}n \\ k\end{pmatrix} p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k\ _n C_k p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k\frac{n!}{{(n-k)}!k!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}\frac{n {(n-1)}!}{{(n-k)}!{(k-1)}!}p p^{k-1}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&np\sum_{k=0}^{n}\frac{{(n-1)}!}{{((n-1)-(k-1))}!{(k-1)}!}p^{k-1}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&np\end{eqnarray*}\)
\(\begin{eqnarray*}\frac{{(n-1)}!}{{((n-1)-(k-1))}!{(k-1)}!}p^{k-1}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
この部分のn-1をn’、k-1をk’とおくと、
\(\begin{eqnarray*}\frac{n’!}{{(n’-k’)}!k’!}p^{k’}{(1-p)}^{n’-k’}\end{eqnarray*}\)
となる。これはパラメータがn’とk’の二項分布の確率質量関数である。よって、
\(\begin{eqnarray*}\sum_{k=0}^{n}\frac{{(n-1)}!}{{((n-1)-(k-1))}!{(k-1)}!}p^{k-1}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
は確率質量関数を確率変数がとりうる値において全て足しあわせた値であるため、1である。
(ある事象における全ての確率を足すと1になることと同義)
分散の導出(証明)
\(\begin{eqnarray*}E(X^2)&=&\sum_{k=0}^{n}k^2P(X=k)\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k^2\begin{pmatrix}n \\ k\end{pmatrix} p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k^2\ _n C_k p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}(k(k-1)+k)\frac{n!}{{(n-k)}!k!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}\\ &=&\sum_{k=0}^{n}k(k-1)\frac{n!}{{(n-k)}!k!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}+\sum_{k=0}^{n}k\frac{n!}{{(n-k)}!k!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
\(\begin{eqnarray*}\\\sum_{k=0}^{n}k\frac{n!}{{(n-k)}!k!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
これは、先ほど導出した二項分布の期待値であるため、npとなる。
\(\begin{eqnarray*}\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ &=&\sum_{k=0}^{n}\frac{n!}{{(n-k)}!(k-2)!}p^{k}{(1-p)}^{n-k}+np\\ &=&\sum_{k=0}^{n}\frac{n(n-1)(n-2)!}{{(n-k)}!(k-2)!}p^2p^{k-2}{(1-p)}^{n-k}+np\\ &=&n(n-1)p^2\sum_{k=0}^{n}\frac{(n-2)!}{{((n-2)-(k-2))}!(k-2)!}p^{k-2}{(1-p)}^{n-k}+np\\ &=&n(n-1)p^2+np\end{eqnarray*}\)
\(\begin{eqnarray*}\frac{{(n-2)}!}{{((n-2)-(k-2))}!{(k-2)}!}p^{k-2}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
この部分のn-2をn’、k-2をk’とおくと、
\(\begin{eqnarray*}\frac{n’!}{{(n’-k’)}!k’!}p^{k’}{(1-p)}^{n’-k’}\end{eqnarray*}\)
となる。これはパラメータがn’とk’の二項分布の確率質量関数である。よって、
\(\begin{eqnarray*}\sum_{k=0}^{n}\frac{{(n-2)}!}{{((n-2)-(k-2))}!{(k-2)}!}p^{k-2}{(1-p)}^{n-k}\end{eqnarray*}\)
は確率質量関数を確率変数がとりうる値において全て足しあわせた値であるため、1である。
(ある事象における全ての確率を足すと1になることと同義)
\(\begin{eqnarray*}V(X)&=&E(X^2)-{(E(X))}^2\\ &=&n(n-1)p^2+np-{(np)}^2\\ &=&np(1-p) \end{eqnarray*}\)
二項分布についてさらに詳しくは二項分布のわかりやすいまとめをご覧いただければと思います。
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