2016/11/22
2020/04/14
カイ二乗分布の密度関数、グラフ、性質
当ページではカイ二乗分布の密度関数、グラフ、再生性などの性質についてまとめました。
カイ二乗分布について詳しくは、カイ二乗分布のわかりやすいまとめにて、まとめました。
確率変数\(Z_1,Z_2,…,Z_n\)が互いに独立であり、それぞれが標準正規分布\(N(0,1)\)に従うとき、
$$χ^2 = Z^2_1 + Z^2_2 +,…,+Z^2_k$$
の\(χ^2\)に従う分布を、自由度\(k\)のカイ二乗分布(chi-sqare distribution)と言います。標本分布であり、ヘルメルトによって発見されました。
※\(χ\)はギリシャ文字であり、カイと読みます。アルファベットのエックス(X)ではないことに注意しましょう。
確率密度関数(自由度k) | \(f(x)=\frac{x^{{\frac{k}{2}}-1} \mathrm{e}^{-\frac{x}{2}}}{2^{\frac{k}{2}} \Gamma(\frac{k}{2})}\) |
期待値 | \(E(x)=k\) |
分散 | \(V(x)=2k\) |
積率母関数 | \(\begin{eqnarray*}M_{X}(t)&=&{(\frac{1}{1- 2 t})}^{\frac{k}{2}}\end{eqnarray*}\) |
カイ二乗分布の確率密度関数
自由度\(n\)のカイ二乗分布の密度関数は
$$ f(χ) = \frac{1}{2^\frac{n}{2}Γ(\frac{n}{2})}(χ^2)^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{χ^2}{2}} $$
となります。ただし、\(Γ(\frac{n}{2})\)は\(Γ\)(ガンマ)関数であり、
$$Γ(\frac{n}{2}) = \int_0^∞ t^{\frac{n}{2}-1}e^{-t} dt $$
です。
自由度別カイ2乗分布のグラフ
以下に自由度別のカイ二乗分布のグラフを示します。自由度が大きくなるにつれて、グラフの盛り上がりは小さくなり、盛り上がる部分がグラフの右方向にずれていくことが分かります。
カイ二乗分布の再生性
二つの確率変数\(W_1,W_2\)が互いに、独立に\(χ^2(n_1),χ^2(n_2)\)に従うとき、確率変数の和、\(W1+W2\)もまたカイ二乗分布に従い、その自由度は\(n_1+n_2\)である。この性質をカイ二乗分布の再生性という。
正規分布に従う無作為標本とカイ二乗分布
\(N(μ,σ^2)\)の正規分布に従う母集団より抽出された、大きさnの無作為標本\(X_1,X_2,…,X_n\)において、それぞれの\(X\)は互いに独立に正規分布に従うので、
$$ W = \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } \frac{(X_i-\bar{X})^2}{σ^2} = \frac{(n-1)S^2}{σ^2}$$
の\(W\)は自由度n-1のカイ二乗分布に従う。
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