2016/11/28
2020/04/14
一致推定量とは?平均と分散の一致推定量
統計的推定の点推定の一種として、一致推定量というのがあります。一致推定量とは、一致性を満たす推定量です。それは、標本数を\(∞\)まで増やしたときに、推定量\(\hat{θ}\)が母数\(θ\)に近づくという性質を持っています。
ここでは、母平均\(μ\),母分散\(σ^2\)となる母集団の、平均と分散の一致推定量について見ていきます。
平均の一致推定量
平均の一致推定量は、標本平均である\(\bar{x}\)です。これは、大数の法則から、標本数が増えれば、標本の平均は母平均に近づくという性質によるものです。
分散の一致推定量
分散の一致推定量は、
$$s^2 = \frac{1}{n}\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } (x_i-\overline{x})^2$$
となる\(s^2\)です。これは、標本数を\(∞\)まで増やすと、\(s^2\)が母分散\(σ^2\)に近づくことから分かります。そのことを確かめるためには以下のようにすれば、簡単です。
解説
$$s^2 = \frac{1}{n}\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } (x_i-μ)^2 -(\bar{x}-μ)^2$$
と変形できるので、大数の法則から、標本数が\(∞\)に近づくとき、この式の、-より後ろの部分は\(0\)に近づきます。また、-より前の部分も大数の法則を適用でき、\(\frac{1}{n}\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } (x_i-μ)^2 = σ^2\)となります。よって、\(s^2\)は\(σ^2\)の一致推定量であると言えます。
Recommended