2020/03/07

2020/04/14

逆行列

線形代数

ライター:

行列の足し算、引き算、掛け算は見たことあるが、割り算は見かけないと思ったことはないでしょうか。実は行列に割り算はありません。行列の割り算と同じ働きをするのが逆行列です。

例えば、「2で割る」は「1/2で掛ける」と考えることができます。つまり、逆数を掛けると考えることができます。行列もこれに近い考え方です。

行列Aの逆行列は\(A^{-1}\)と表します。

2×2行列の逆数

info

 

 
\(A= \begin{pmatrix}a & b \\ c & d \end{pmatrix}\)とすると\(A^{-1}\)は以下のようになります。

$$A^{-1}=\frac{ 1 }{ ad-bc } \begin{pmatrix} d & -b \\ -c & a \end{pmatrix}$$

ただし \(ad-bc \neq 0\)とする。もし \(ad-bc = 0\)のとき、逆行列は存在しません。

 

  3次以上の正方行列に対する逆行列の公式も存在しますが、かなり複雑になります。3次以上の正方行列の逆行列を求めるときは次に紹介する掃き出し法がおすすめです。
 
 
 
 

 例題

行列\(A= \begin{pmatrix}3 & 2 \\ 7 & 4 \end{pmatrix}\)のとき、逆行列\(A^{-1}\)を求めよ。

回答

\(A^{-1}=\frac{ 1 }{ 3×4-2×7 } \begin{pmatrix} 2 & -4 \\ -7 & 3 \end{pmatrix}\)

\(=-\frac{ 1 }{2} \begin{pmatrix} 2 & -4 \\ -7 & 3 \end{pmatrix}\)

掃き出し法

行列Aの逆行列を求める。ただし、行列Iは単位行列とする。

公式
行列Aの右隣にIをつけ、[A I]にする。そして行基本変形を行い、[I B]に変形する。

行列Bが行列Aの逆行列である。

この掃き出し法は高次元の正方行列にも使用することができるのでお勧めです。ただし、高次元になると計算量も増え、計算ミスをしやすいので注意する必要があります。

例題

行列\(A= \begin{pmatrix}1 & 2 & 2 \\ 0 & 1 & 2 \\ 2 & 1 & 1 \end{pmatrix}\)のとき、逆行列\(A^{-1}\)を求めよ。

回答

行列Aの右隣に単位行列Iをつけ、\( \begin{pmatrix}1 & 2 & 2 & 1 & 0 & 0  \\ 0 & 1 & 2  & 0 & 1 & 0 \\ 2 & 1 & 1  & 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}\)とし、この行列を行基本変形し、[I B]に変形する。

まず、この行列の1行目を-2倍し3行目に加えると次のようになる。

\( \begin{pmatrix}1 & 2 & 2 & 1 & 0 & 0  \\ 0 & 1 & 2  & 0 & 1 & 0 \\ 0 & -3 & -3  & -2 & 0 & 1 \end{pmatrix}\)

次に2行目の行列の-2倍を1行目に加え、3行目の行列に\(-\frac{ 1 }{ 3 }\)をかけると次のようになる。

\( \begin{pmatrix}1 & 0 & -2 & 1 & -2 & 0  \\ 0 & 1 & 2  & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 1 & 1  & \frac{ 2 }{ 3 } & 0 & -\frac{ 1 }{ 3 }\end{pmatrix}\)

同様に2行目の行列の-1倍を3行目に加えると次のようになる。

\( \begin{pmatrix}1 & 0 & -2 & 1 & -2 & 0  \\ 0 & 1 & 2  & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & -1  & \frac{ 2 }{ 3 } & -1 & -\frac{ 1 }{ 3 }\end{pmatrix}\)

同様に3行目の行列の-2倍を1行目に加え、3行目の行列の2倍を2行目に加えると次のようになる。

\( \begin{pmatrix}1 & 0 & 0 & -\frac{ 1 }{ 3 } & 0 & \frac{ 1 }{ 3 }  \\ 0 & 1 & 0  & \frac{ 4 }{ 3 } & -1 & -\frac{ 2 }{ 3 } \\ 0 & 0 & -1  & \frac{ 2 }{ 3 } & -1 & -\frac{ 1 }{ 3 }\end{pmatrix}\)

最後に3行目を-1倍かける。

\( \begin{pmatrix}1 & 0 & 0 & -\frac{ 1 }{ 3 } & 0 & \frac{ 1 }{ 3 }  \\ 0 & 1 & 0  & \frac{ 4 }{ 3 } & -1 & -\frac{ 2 }{ 3 } \\ 0 & 0 & 1  & -\frac{ 2 }{ 3 } & 1 & \frac{ 1 }{ 3 }\end{pmatrix}\)

以上より、[I B]の形に式変形することができた。よって

\( A^{-1}=\begin{pmatrix} -\frac{ 1 }{ 3 } & 0 & \frac{ 1 }{ 3 }  \\  \frac{ 4 }{ 3 } & -1 & -\frac{ 2 }{ 3 } \\  -\frac{ 2 }{ 3 } & 1 & \frac{ 1 }{ 3 }\end{pmatrix}\)

となる。

(totalcount 208 回, dailycount 13回 , overallcount 1,380,942 回)

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線形代数

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