2020/08/03

2020/10/16

G検定に短期間で合格した独学の勉強法を具体的に解説

AI人材関連

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G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催する資格試験である。ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
本記事では、一週間の勉強でG検定2020#2に合格した著者自らの体験談をもとに、対策の流れや効率的に勉強するコツなどを紹介する。

自己紹介・受験前の状態

まず、G検定に向けた勉強を始める前の状態はこのような感じだ。

  • 東京大学に通う大学2年生
  • 理系の学部
  • AI・ディープラーニングについては少し話を聞いたことがある程度で、詳しい知識は無い
  • Pythonは少しだけいじった経験あり
  • AVILEN AI Trendのライターを2ヶ月前に始めた

見て分かるとおり、ほぼゼロからのスタートだった。G検定に出てくる用語は知らないものばかりであったし、専門的なプログラミングなども経験はなかった。
理系であるため数学についての知識はあったが、それ以外の予備知識は無い状態だった。

学習期間・対策の流れ

学習期間は1週間。長い勉強時間を確保することができなかったが、効率を意識して勉強することで合格することができた。
対策の流れは以下の通りだ。

  1. 人工知能は人間を超えるかを読んでAIの概要を掴む
  2. G検定公式テキスト』で出題範囲を把握
  3. 徹底攻略ディープラーニングG検定問題集』(黒本)を解く
  4. Study-AIのG検定模擬テストを解く
  5. G検定 Web模試 を解く
  6. 時事問題対策のため様々なサイトを読み漁る

ここからはそれぞれについて詳しく説明していく。

人工知能は人間を超えるか』を読んでAIの概要を掴む


JDLA会長で、ディープラーニング研究の第一人者である松尾豊氏の著書だ。
この本は量的にはそれほど多くない分、読み物的にさらさらと読み進めることができる。初学者がAIやディープラーニングとはどういうものなのかということを知るにはうってつけだ。
人工知能とは何かというところから始まり、人工知能研究の歴史や機械学習・深層学習などについて基本的な内容が解説され、将来の展望についても語られている。

公式テキストと内容的には近いが、松尾豊氏の視点から考えや思い、経験なども綴られているので読みやすかった。

G検定公式テキスト』で出題範囲を把握


こちらは教科書のような感じで、シラバスに沿って内容が淡々と書かれており、出題範囲の全体を広く浅く知ることができた。最初に公式テキストから読み始めることもできるが、『人工知能は人間を超えるか』を読んでおいたので、かなりスムーズに内容が頭に入ったと思う。
範囲は広いが一つ一つの説明は簡潔なので、理解しづらい部分もある。ここで完璧に理解しようとする必要は無く、「こんな内容があるのか」と押さえておく程度でも大丈夫だ。
読み方としては、自分の場合二周した。最初は全体像を掴むためにざっと読み、二周目で詳しい知識を覚える。特に第4章以降が難しいので、自分でまとめ直して頭に入れていった。各章の最後に例題が載っているので、そこで理解度の確認ができる。
本番では公式テキストに載っていない内容が多く出題され、むしろ公式テキストだけで対応できる問題の方が少ない。ここの内容はいわば「前提」のような知識なので、これを軸に知識を増やしていこう。

徹底攻略ディープラーニングG検定問題集』(黒本)を解く


「黒本」と呼ばれる問題集だ。本番と同じ形式の選択問題がシラバスの内容ごとに約10問ずつ掲載されている。
公式テキストの内容を中心にそれ以外の内容も含まれているので、学んだ範囲の確認と新しい知識の吸収が可能だ。解説も丁寧で、公式テキストだけではよく分からなかった部分の理解も深まるはずだ。
正解・不正解に関わらず新しい内容があれば頭に入れていくようにする。この問題集を何周もする人もいるが、知らない知識が出てきた段階でまとめていくようにすれば、一周や二周で完璧に吸収できるだろう。

 

※『最短突破ディープラーニングG検定問題集』(赤本)で最新の出題傾向に対応(2020/9/30追記)

黒本は2019年発売のため、2020年の試験で出題された新しい傾向の問題には対応していない場合がある。2020#2の試験では、黒本や公式テキストで対策可能だったディープラーニングの歴史や重要人物、統計的手法に関する問題はほとんど出題されなかった。

代わりに、2019年以降に改正された法律や事例が出題された。また、CNNやRNNなどの、各種ディープラーニングモデルの知識や理解を問う問題も多く出題されていた。

(例):「自動運転中にスマホを使用してよい条件は?」

この問題集では、従来の出題傾向をきちんと押さえつつ、2020#2現在の最新の出題傾向についても対策できる。解説は170ページ以上のボリュームがあり、各章の最後には用語解説も付いている。これからのG検定対策では、非常に内容が充実しているこの問題集の方が、効率よく対策できるだろう。

 

Study-AIのG検定模擬テストを解く

基本的には先ほどの黒本と使い方は同じだが、こちらの場合時間を計ってテスト形式で取り組むこともできる。G検定は120分で約220問と時間制限が厳しいので、その感覚を知りたい人はそのようにするのがオススメだ。
自分は知識を増やすことを主な目的にしていたので、時間は気にせず一問ずつ解答を見ながら解いていった。
ここでも、新しい知識が出てきたらメモするなどして頭に入れていく。

G検定 Web模試 を解く


こちらは個人で制作されているG検定の模擬試験だ。Amazonで『詳解!実践で理解するG検定 Web模試 解説書』を購入するとアクセスキーが取得でき、模試が受験できる。解答解説は解説書に掲載されており、公式テキストに載っていない知識も得ることができる。ちなみに、解説書はKindle UnlimitedというAmazonの読み放題サービスの対象になっているので、それを利用するのもオススメだ。
ここまでの演習でかなり知識の肉付けができた。ここから先は、時事問題対策に取り掛かる。

時事問題・法律問題対策

AIやディープラーニングの世界は発展のスピードがめざましく、次々に新たな話題が登場する。当然それはG検定の出題内容にも反映されるため、G検定の問題は毎回違った内容になる。したがって、時事問題対策は非常に重要だ。
また、この時事問題の中には、技術的な話題だけでなく法律関連の話題も含まれている。新技術を社会で実装する際には様々な面で制度作りが必須なので、これは自然なことだろう。しかし、AIやディープラーニングの本では、なかなかこの話題について詳しく扱われていることは少なく、受験者の関心も薄くなりがちであることから失点しやすい分野といえる。勉強の総仕上げ段階として、時事問題・法律問題対策はしっかりしておきたい。

どんな問題が出るのか?

前提として、受験者は出題された問題の内容を公開することが禁止されているので、詳細な部分まで紹介することはできない。ただ、筆者の受験した回では、以下のようなテーマが出題された。

  • 自動車の自動運転
  • ドローン
  • AIと著作権に関する問題
  • 海外の政策や情勢

どのテーマに関してもマニアックな問題はそれほど無かった。ただ、このような問題は試験中にネットで検索しても短時間で答えに辿り着くことが難しいので、あらかじめある程度の前提知識が無いと厳しい問題が多かったように感じる。

具体的な対策方法

時事問題対策としては、AI白書を読むという方法がある。AI白書とは毎年発行される大型本で、出版されたその年のAI関連の動向がまとめられている。もちろんこれを読めば時事問題対策は万全になるだろうが、量が膨大なのが難点だ。これを全て読んで頭に入れるのには相当な時間を要するので、1週間のような短期間で合格したい場合は非現実的だ。

そこで、ネット上の記事を利用する。G検定で出題されそうなテーマを調べ、それについての記事を読み漁るのだ。
テーマの調べ方だが、前回のG検定でどんな内容が出題されたかを参考にしよう。上で挙げたようなテーマは今後も出題される可能性が高い。また、過去の出題内容については、受験体験記などで全問題のテーマを載せているようなブログもある。その他にも、AI関連で大きなニュースなどを知っていればそれについて調べるのも良いだろう。例えば最近で言えば、コロナ禍におけるAIの利用などは思い浮かびやすいテーマではないだろうか。
また、法律関係の情報は新聞やニュースサイトなどで入手しやすい。時間の許す限り情報収集を行っていこう。
具体的な記事の調べ方について、まずは「G検定 時事問題」などと検索してヒットするものを読んでいく。例えば以下のような、まとめサイトをまとめてくれている記事なども活用した。

ぼくのかんがえた “さいきょう”の G検定対策【まとめのまとめ】 – Qiita

その他には、上で挙げたようなテーマについて最近の新聞記事やニュースサイトの記事を読んでいけば、最新情報を知ることができる。大体の場合、長い記事のうち試験に出そうな部分は限られているので、その部分だけを抽出して後述するマインドマップなどに追加するなどしてまとめておくのがオススメだ。

効率の良い対策・本番のコツ

ここからは、短期間で合格するために重要な、効率の良い対策方法や本番の受け方について解説する。
G検定はオンラインの自宅受験で、一般的なテストと少し異なる。120分で約220問という厳しい時間制限も特徴だ。
どのようにすれば無駄なく効率的に理解を深められるのか、そして本番気をつけるべきことは何かなど、G検定合格に直結するコツを紹介する。

試験中に全て調べる時間は無い!


G検定はオンライン受験なので、分からない問題は本を参照したりネットで検索したりすることができる。しかし、非常に時間制限が厳しく、一問あたり30秒ペースで解き進めなければならないので、多くの問題を調べている余裕はない。ベースとなる知識はしっかりと頭にいれておき、少しマニアックな知識は調べて解決するぐらいのイメージだ。
目安で言えば、公式テキストや問題集レベルの内容は前提として即答できるようにしておきたい。上で紹介した流れで勉強しておけば問題ないだろう。
また、調べる際も自分で作成したマインドマップがあればその中でまず検索できるので効率が上がる。ちなみに、ご存知の方も多いと思うがcontrol+F(Macの場合はcommand+F)でページ内検索をすることができるので、知らなかった人は覚えておくと良いだろう。

スプレッドシートやマインドマップの利用


G検定対策で勉強する範囲は膨大だ。ただ情報を羅列して頭に入れようとしても、なかなか覚えることはできない。そのため、いかに整理して情報を捉えることができるかが重要になる。特に、各要素の関係を把握することは非常に大事だ。
そこでオススメなのが、スプレッドシートやマインドマップの利用だ。これらを使うことでそれぞれの要素がどのカテゴリーに属しているのかをスッキリと掴むことができる。特にマインドマップを使えば、要素の上下関係が明確になり、さらに必要の無い部分はしまっておくこともできるので非常に見やすくなる。
自分の場合はMindMeisterというアプリを利用したが、最終的には写真のように膨大な量になった(これでも一部分は閉じてある状態だ)。
具体的な使い方としては、まず公式テキストを読んだ段階でシラバスの章ごとにまとめていき、演習を進める中で出てきた新しい知識をその都度適切な場所に追加していく。こうすることで、学習が進むにつれて自分の知識の全てが体系化されてマインドマップに表現できる。後に忘れてしまったり記憶が曖昧になったりした部分についてはこのマインドマップを参照することでいつでも確認できる。
上に述べた順番で勉強していき、マインドマップを作っていったところ、G検定本番ではかなりの部分についてこのマインドマップの範囲内で対応できた。
人によって記憶しやすい整理の方法は違うだろうが、以下に自分の例を紹介するのでよければ参考にしてほしい。

難しい用語や概念は位置づけを把握しておく


G検定では専門的な実装知識などは要求されないが、それでも難しい用語が沢山出てくる。初学者にとっては、イメージのわかないアルファベットの羅列がどんどん登場して混乱してしまう。もちろん、仕組みや原理まで理解できればベストだが、量が膨大であるために全ての概念について深く理解するのは厳しい。
そこで、そのような単語については軽く概要を把握した上で、それが全体の中でどんな位置づけにあるのかを理解しておくと良い。ある一つの概念について、それはどのカテゴリーに属するのか、どの概念の仲間なのか、時代的にはいつのものなのかなどを把握するのである。
そうしておくと、中の仕組みまで完璧に理解していなくても、選択肢で出てきた時に「これはありえないな」などというように判断できるようになる。また、試験中にその概念について調べる際もスピードが上がって効率的だ。
上で挙げたマインドマップなどを利用して、概念同士の上位・下位関係をしっかりと把握するように意識してほしい。

合格者がやっている、その他のコツ

G検定に受かる人と落ちる人の違いや、合格者がやっている考え方・テクニック試験本番の受け方などは以下の記事でも紹介している。
G検定の合格率は低くはないが、それでも合格者と不合格者に分かれるのは事実だ。限られた時間の中で確実に合格を掴みたいという方はぜひこちらもチェックしてほしい。

G検定の対策・数学対策

G検定の試験対策には、公式テキストや参考書・対策問題集・推薦図書などといった対策書籍のほか、講座・セミナーや研修の受講や模擬試験まで様々な勉強方法がある。
以下の記事では様々な講座・コースの比較やおすすめ書籍の紹介など、試験対策に役立つ情報や学習コンテンツを掲載している。
自分に合った学習方法を見つけて、試験日までにしっかり準備してほしい。


今回の記事では、筆者が理系であるためG検定に向けた数学の勉強についての紹介は省いたが、受験者の中には文系出身の方や数学が苦手な方もいるだろう。
だがG検定は数学の試験ではない。数学が苦手であっても十分合格できる。もちろん文系の方でも大丈夫だ。受験資格に制限はなく、誰でも合格の可能性がある。
以下の記事では、必要な数学力や文系でも合格できるのかを解説している。数学分野の有効な対策方法についても紹介しているので、参考にしてほしい。

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