2020/05/30

2023/07/28

E資格合格談、「人工知能ってわくわくします」ー大手機器メーカーの藤丸さん

E資格, インタビュー

ライター:

E資格合格談「人工知能ってわくわくします」

日本ディープラーニング協会(JDLA)のE資格(2020#1)に合格した大手機器メーカーのエンジニア、藤丸さん(40代)はAVILEN AI Trendのインタビューで、E資格に合格するに至るまでの学習や、人工知能(AI)に対する考え方、勤務先でのディープラーニング(深層学習)技術の活用などについて話した。

理系の大学を卒業した藤丸さんは現在、アナログ電気回路の設計に携わっている。E資格合格を目指し、2019年11月から約3カ月間、平日は毎日、仕事を終えた後の4~5時間、休日は1日に13~14時間を学習に充てたという。

好奇心満たす感じで大変さ半減ーE資格の学習

「人工知能って、なんか、わくわくしますよね。自分の知的好奇心を満たしたい的な感じで、大変だったですけど、その大変っていうところも半減したかな、という感じでしたね。面白かったです」ーー。藤丸さんは、満面の笑みでこう振り返る。

藤丸さんは「機械学習を用いた解析は実務で使い始めています」と語り、E資格で得た知見を実務に活用していると説明。「将来的には、AIという思い浮かべるような華々しい技術、ディープラーニングの世界に入っていくとは思います。アルゴリズムを扱えるようになってきたらいいとは思います」と、期待に胸を膨らませる。

絶対受けた方がいいーE資格

「絶対受けた方がいいと思いますね。確かに、かなり高度な統計の内容も勉強しますが、そこが興味となって、もっと知りたいと思って、もっと勉強される方も、たぶん、いると思います」「絶対、全然、無駄にならないかなっていう感じがします」ーー。E資格という資格試験の意義について質問すると、藤丸さんはこう答えた。

JDLAはディープラーニング技術の産業活用を促す一般財団法人。エンジニアとして認めるE資格(試験会場受験)と並んで、ディープラーニングの基礎知識を事業に活用できる人材(ジェネラリスト)として認定するG検定(オンライン受験)を実施している。

藤丸さんの主な発言は次の通り。

――G検定はお持ちですか?

受けてないんですよ。だから全く何も知らない状態でした。

――E資格を受験するに至ったきっかけを教えてください?

テレビのニュースなどで、このごろ結構やってたっていうのもあるのですが、書店のコーナーにたくさん本が置いてあって、試しに買って読んでみたら、面白かったんです。私はエンジニアなのですが「これ、何も知らないのは、まずそうだな」と思って、資格を調べ始めたのがきっかけです。

――E資格は仕事と関係がありますか?

そうですね。はじめはあまり関係がなさそうだと思っていたのですが、E資格を勉強してきた今、無関係とは言えないと今では思ってます。私はアナログ電気回路設計をやっているのですが、電気回路の設計といっても、アナログ信号は最終的にはデジタルとつながって信号の加工や制御をしないといけません。ですのでアルゴリズムも必要になってきます。

アナログ回路自体は、新発見の技術や工夫とういうよりも、経験やノウハウの活用というところが多いため、今後さらに手を入れていくとすると、どうしてもアルゴリズムになります。そういった意味でも必要だなと思ってます。

――学習スケジュールは?

2019年11月中旬ごろAVILENのE資格対策講座を受け始め、20年2月の試験を受けました。

正直なところ、初めに目に留まったのは値段でした。そして、いろいろ見た中に「AI人材になるまでの道のり」というのがあったんです。「あれ、かなりすごく詳しく書いてあって、分かりやすいな、内容をイメージしやすいな」と思いました。「経験のない自分でも、何とかなりそうだな」という安心感はありました。それが理由で選びました。

――E資格の学習期間は約3カ月ですね?

3カ月ぐらいで頑張りました。平日は1日4~5時間、休日は13~14時間学習ししましたね。動画の講義が結構あるので。それも含めて、それぐらいやってました。

平日は仕事が終わってからです。結構分からないことだらけだったので、Pythonから分からない人だったので、大変でした(笑)。

AI学習メディア「全人類がわかる統計学」(現・AVILEN AI Trend)に補完的なことが書いてありますよね。基礎的なことを分かりやすく書いてあると思って、見たりしていました。

――E資格の学習とお仕事の両立でご苦労なさったのでは?

分からないことだらけの中でやっていたので、睡眠を削られるっていうのはありましたし、道のりがかなり遠そうだなという実感もあったので、大変でした。大変ではあったのですが、同時に好奇心から来る強い興味というのもAIにはありまして、そのおかげで、何とかやっていけたという感じですね。

勝手に思ってることなのですが、E資格を受験した方とか、しようと思っている方は、もちろん業務的な目標とかがあると思うのですが、実は、業務的な目標に加えて個人的に興味を持っていたりする人もいるのではないかなって。だから頑張れちゃう、みたいな。そういう人って実は結構多いのではないかなって。

だって人工知能って言われると、なんか、わくわくしますよね(笑)。確かに大変でしたが、少なくとも私は、その大変っていうところも、半減したかなという感じでしたね。自分の知的好奇心を満たせたこともあって、面白かったです。

――E資格取得はキャリアアップにつながりましたか?

実は、E資格はまだ、会社の登録管理対象の資格にはなってないので、報奨金とかもないんですね。でも、この資格を得るために勉強してきたのはよかったと思ってます。

E資格を学ぶ際に絶対通る統計や機械学習の知識は、私たちのように実験データ取ったりする人たちがすぐ使える身近な技術なんですね。実際に活用してます。その結果、これまで気付けなかった問題などを可視化できるようになったりして、すっごく便利になりました。

――現在、モデルを構築、開発なさっていると?

ビッグデータ活用とはいかなくとも、多くのエンジニアは大なり小なりデータを取ると思うんですよね。自分たちで取った実験データをまとめたりとか、解析したりとか、可視化したりとかするときに使えるんですよね、統計とか機械学習の知識って。

機械学習を用いた解析は実務で使い始めています。まずは自身が今やっている業務の中でも、解析の分野への適用を拡大していく予定です。そして、将来的にはもっと実践経験、知識を深めていって、AIというと思い浮かべるような華々しい技術、ディープラーニングの世界に入っていくとは思います。製品機能への適用や、他の技術と組み合わせた特許などに展開していけるよう、アルゴリズムを扱えるようになってきたらいいとは思いますが、まずは、自分ですぐできることをやっています。

――企業のAI導入・AI活用についてどう考えますか?

もしかしたら、皆さんとは順序が逆なのかもしれないんですが、E資格に合格してから、うれしくなって「AI白書」を買いました。見ていると、、まだAIの日本の利用率って少ないんですよね。そして、社内でのAIの理解が不足しているというころが目につきました。

ですが、競争社会の中で、優れた手法が、いつまでも使用されない状態が続くというのはないんじゃないかなって、基本的には思っています。徐々にという形で、導入が進んでいくのかな、と思っています。

AIの定義って、広いじゃないですか。機械学習も含まれますし、もっと弱いAI、強いAIとか言い始めると広いですよね。そうすると、業務の中で使用できそうなAIって、実は、多くの方の身近にありそうな感じがするんですよね。よく見ると、「これ、使えるじゃん」って。どこかが自動化すれば、ほぼAIだと思うので。そこを足がかりに、担当者自身で、まずは活用したり改善したりして、その延長上に、必要に応じて、さらに高度なAIの活用が始まっていくんじゃないかと思います。

「(AIが活用できることが)身近にありそうだ」という啓蒙というのを、今、増えてきているG検定、E資格を取得された方とか、大学や専門学校で詳しく学んできた方が中心になって、どんどん導入が進んでいくんじゃないかなと思っています。

――AI人材の必要性は?

どの業種でもあると思うんですけど、そのサービスや製品たらしめてるノウハウウがあると思います。このノウハウだけは、絶対に自分たちでやらないといけないと思っています、AIを活用するサービスや製品の中に、このノウハウを詰め込まないといけないとなってきた場合には、どうしても、AI人材って必須なんじゃないかなと思います。

AIがよく分からないからって言って、(AI開発を社外に)依頼して、同じようなサービスを並べても、魅力はないんじゃないかなと思っています。そういう意味でも、AI人材は、必須じゃないかなっていうふうに思ってます。

――E資格についてのお考えは?

絶対受けたほうがいいと思いますね。確かに、かなり高度な統計の内容も勉強しますが、そこが興味となって、もっと知りたいと思って、もっと勉強される方も、たぶん、いると思います。

例えば、E資格取得に必要で、AIを支えている知識の分野の一つとして統計があると思います。私には基礎的な内容含め、しっかりとした学習が必要でしたが、学習してきた今、これまでのデータを取った時の扱いや、考察については、雑だったと実感できます。

確かに資格取得のため、はじめは無理やり詰め込んでいたものですが、あまり考えなくても、使おうと思うと、使う場面は意外と多いのと、当たり前かもしれませんが、「実際に使えるため楽しい」と思いました。

もちろん基礎だけでなく、高度な内容も触れるので、「もっと知りたい」と興味を持ちましたし、そう思う人もう多そうです。はじめは無理やりでも、勉強する機会がつくれるということで、絶対、無駄にならないかなっていう感じがします。 

――E資格の設問・解答について感想は?

応用数学は勉強していれば解ける内容で、特に感想はありません。機械学習は興味をもっていれば普段から自分で調べたりしていると思いますので十分回答できる内容だと感じました。

深層学習は最新論文などからも出題され、知識がなく解けず難しいと感じましたが、いじわるな問題というよりも、機械学習を含め、この分野について基本的な理解はできているか、興味があるのか、ということを確認しているかのような印象を持ちました。

――E資格対策講座の感想は?

合格に必要な受講システムはもちろん、講師の方の対応も含め、出し惜しみをしないというように感じました。特に試験前の追い込みでは、本当に理解しているのかを多角的な視点から問う問題が、これでもか!というくらい大量に出され、このことが自分で調べたり考えたりする機会を強制的につくることになり、定着にもつながったため大変良かったです。

 

 

 

 

 

 

(totalcount 5,345 回, dailycount 11回 , overallcount 15,788,309 回)

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