2020/06/08
2023/07/28
E資格合格談、受講講座の「試験対策問題が秀逸」ー会社員の上垣さん

日本ディープラーニング協会(JDLA)が2020年2月に実施したE資格(2020#1)に合格した大手電機メーカーに勤める上垣さん(30代)はこのほど、AVILEN AI Trendのインタビューに応じた。
上垣さんは、E資格の学習開始から試験日までの取り組みについて、19年10月半ばに基礎講座の受講をスタートし、翌11月後半にディープラーニング(深層学習)講座へと進み、20年1月後半にプロダクト課題を含む講座の全セッションを修了したと振り返った。その上で、約4カ月間にわたる日々の学習については「平日は1日30分~1時間程度、土日は1日3~5時間という形で進めました」と話した。
目次
それほど苦労しなかった
上垣さんは、受講した講座について、「網羅性は言うまでもなく、一つ一つの内容も十分だと感じます。なによりも、試験対策問題が秀逸で、理解を深める上で大いに役立ちました。講師の説明も丁寧で分かりやすかったです」と指摘。「試験対策としては例題の解説がとても有効だったと感じています。計算過程や選択肢の選び方のコツなど、無駄のない解き方として、参考にさせていただきました。演習も理解を進める上で役立ちました」と話した。
上垣さん講座受講当初に、学習開始~試験1カ月前まで、全ての課題それぞれ修了させる計画を策定。実際にほぼ計画通りに学習を進められたという。試験日までの約4カ月間、平日に30~60分、休日には3~5時間を学習に充て、学習と仕事の両立は、上司や家族の理解が得られたことから、「苦労はそれほどなかったと思います」と話した。
上垣さんは国立大学の大学院で自然科学研究科を修了(機械工学)。大学院では風や水の流れといった流体工学を研究し、現象を数値的に解析する計算ソルバーの開発を行っていたという。このためE資格を学習する際、「統計の知識はそれほどなかったのですが、過去にプログラムもやっていた経験はありましたので、行・列の計算を高速にパソコンにさせるプログラムの部分では、あまり苦労しなかっと思います」と述べた。
上垣さんの主な発言は次の通り。
仕事に生かせる部分が非常に多い
――E資格受験のきっかけは?
19年11月の試験でG検定(2019#3)は取得しています。
ディープラーニング技術には以前から興味がありました。仕事がロボット関係ということもありますが、仕事で生かせる部分が非常に多いと感じていました。少しずつでも今後、何かに使えるかなということで、独学で勉強をしていました。
今後AIを本格的に取り入れていきたいという部門で活躍していきたいという思いがあり、上司の理解もあったので、今回受験をしようと決めたというのが経緯です。
E資格を取ったのが今年2月ですが、AVILENの一番最初の基礎講座を受講し始めたのが2019年10月半ばです。
――E資格は仕事と関係がありますか?
ロボットを開発する部門にいるのですが、画像からの認識、次へのデータ処理、行動を学習する部分まで、E資格のカリキュラムの内容と関連する部分が非常に多いと感じています。
今回得た知識、知見は今後、仕事でより先端の研究などを調べていくことで、生かせる部分が非常に多いと感じています。
AVILENの圧倒的な高合格率が理由の一つ
――E資格対策講座の選定は?
会社が負担するということもあるので、受験するからには合格することが最優先でした。その時、JDLA認定の企業が9つあり、合格率をちゃんと明示している企業は全部ではなかったと思うのですが、AVILENはちゃんと合格率を記載してくれていたことと、その合格率が圧倒的に他よりも高かったことが1つの理由です。
別の理由は、講座内容が結構コンパクトにまとまっている印象を受けたことです。あと、費用面なども含めて、総合的に、AVILENがベストだと判断しました。
平日30~60分、土日3~5時間
――学習のスケジュールと、仕事との両立について教えてください。
ディープラーニングの講座を受け始めたのが19年11月後半からだと思います。プロダクトの課題を含めて、講座内容が終了したのが、1月の後半だったと思います。講座の勉強に費やした時間は、平日はだいたい1日30分~1時間程度です。土日は1日3~5時間という形で進めました。
AVILEN講座は基本的に、各講座に費やす時間の目安をある程度出していただいていたので、それをベースに、最初の段階で、20年2月の試験の1カ月前までに、各講座の各課題をいつまでに終了させるか全部計画を立てました。プロダクト課題以外は、幸い、ほぼ計画通りに進めることができました。
年末年始ほぼ学習は人生初
笑い話じゃないですけれど、年末年始をほぼ勉強に費やしたのは、人生で初めてかなという感じです。
仕事との両立では、最初に計画を立てたので、モチベーションも落ちることがなかったです。最初から職場に経緯も説明して、上司にはE資格を受けることも理解していただき、家族の協力もありましたので、苦労はそれほどありませんでした。
プロダクト課題で苦戦
ただ、プロダクト課題で、なかなかうまく思うように結果が得られなかったところがあり、正直、苦戦したと思います。ただ、大したモデルではないとはいえ、AI開発の難しさを多少なりとも実感できたことは、経験としてすごく大きいと思っています。
職場で問い合わせ・議論が増加
――キャリアアップにつながりましたか?
目に見えて何かが変わったっていうところは、現時点ではない状況です。同じ部門に私より1つ前の試験でE資格を取った者が1人います。周りも、E資格を2人取得していることを知ってるので、「AIでこんなことができないか」とか、「こういった事例はあるのか」とか、「どういうふうに開発を進めていくべきか」といったような問い合わせや、議論することも増えたなと感じています。
今回得た知見を活かし、機械学習エンジニアとして世に役立てるような仕事をしていきたいです。
――内外の企業によるAI導入の進捗をどう思いますか?
導入という意味と、開発の取り組みという意味で、現時点で日本では、企業によって特に差があると感じています。すごく開発に積極的に取り組んでいる企業もあれば、開発を他社に任せて、機能だけを取ろうとする企業もあります。私の実感として、日本の企業は導入が遅れているなという感じはします。
日本はAIのサービスへの落とし込み得意
日本や世界の企業による開発の状況を俯瞰して見ると、1つは、GAFAを代表とする先端IT企業が取り組んでいるような、もともとの革新的なアーキテクチャーの部分、モデルの一番最初の部分を開発するところです。
企業として最先端の研究開発をするのか。そうではなくて、自分たちのサービスのツールに落とし込むのか。日本の企業は、どちらかと言えば、後者のサービスに落とし込むということです。もともとある大きなフレームワークをローカルなサービスの部分に改良・改善することで、良いサービスをつくり出す方が、日本人は得意で、そういう部分で取り組みを進めていく必要があるのではないかと思います。
もちろん最先端の研究開発をすべきでないというわけではないのですが、これから勝っていくのは、相当大変だろうなと思っています。
AI開発スピード遅いー経営層にAI人材を
どちらの面を見ても、開発スピードの意味で、日本はすごくまだ遅い部分があります。その1つの理由は、やはり企業の上のほうの人に、いわゆるデータアナリスト、機械学習に精通した人が、まだあまりいないのではないかと思います。
そういう人たちが、日本の企業の中で、どんどんトップ層に増えていくことで、AI開発はもっと加速させられるのではないかなと思います。
本当に、今すぐにでも、スピード上げていかないといけないと思います。論文の数でも、米国と中国が圧倒的優位性があって、日本の研究開発の論文は、今、あまり参照もされなくなってきました。
EUが最近、どんどんAIの開発に力を入れてる印象があるので、AIに関して言うと、技術立国という日本の優位性が現状では、もう、ほぼ、ないのかなと思います。
企業という面で言うと、先ほども述べたように、実際のサービスにAIを活用するという意味で、まだ頑張れる部分があると思うので、そこに対して早くスピードを上げて取り組まなければいけないと考えています。
AI技術不要など考えられず
――ディープラーニングとAI人材についてお考えはありますか。
基本的には、AIの技術が不要になる世の中は考えられないと思ってます。AIがディープラーニングに根ざした技術かどうかは、議論の余地があると思ってますが、基本的には、ここ5年、10年はディープラーニングが、1つの技術ベースになって、いろんなモデルが開発されていくのだろうと考えてます。
今までやられていた画像処理の中で、最初にどうやって特徴を抽出してくるのか、というところから、設計者が全て考えて設計をして、特定の領域にだけ有効に使えるような特徴抽出技術の開発に戻ることは、基本的にもう考えられないとは思ってます。
AI人材、今後圧倒的に必要
AIの技術開発にはいろいろ側面があるので、それぞれのエキスパートがいないと、仕事は効率的に進まないと思います。このため、「AI開発」とひとくくりに言っても、いろんな人たちが必要になるので、AI人材が正直、現時点で明らかに不足しているのではないかなと思います。
今後、いろんな汎用的なツールができたとしても、やはりそれを使う人間に知識がなかったら間違った使い方をします。または、最適化を図るっていうことはできないと思いますので、E資格を含め、こういった知識を持った人材は、今後、圧倒的に必要になっていくのではないかと思います。
対策講座の例題理解が必須
――E資格試験の感想は?
AVILEN対策講座の例題への理解が必須です。解説も含めて理解することが合格への近道だと感じました。
E資格は、一つの試験としての範囲が広すぎると感じます。基礎的な部分の理解は深めるべきですが、実モデルへの理解は特徴部分にとどめておいてもいいのではないでしょうか。ただし、シラバスに記載のあるモデルは網羅しておく必要があると思います。試験問題は比較的説明が丁寧になされているため、一見、分からなくても、じっくり読めば選択肢から答えを導き出せる問題もありました。そのために基礎的理解が重要だと感じました。
試験対策問題が秀逸
――対策講座の感想は?
網羅性は言うまでもなく、一つ一つの内容も十分だと感じます。なによりも、試験対策問題が秀逸で、理解を深める上で大いに役立ちました。講師の説明も丁寧で分かりやすかったです。
試験対策としては例題の解説がとても有効だったと感じています。計算過程や選択肢の選び方のコツなど、無駄のない解き方として参考にさせていただきました。演習も理解を進める上で役立ちました。
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