正規分布を標準化して標準正規分布にする方法

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標準化とは(Standardization)

正規分布を標準正規分布に変形する操作を標準化といいます。

観測したデータ群を「平均0、分散1」になるように変換します。標準化の考え方は偏差値の算出にも用いられています。

標準化と標準正規分布の式

確率変数XXが正規分布N(μ,σ2)N(μ,σ^2)に従うとき、

Z=XμσZ = \frac{X-μ}{σ}

と変換すると、ZZは標準正規分布N(0,1)N(0,1)(平均0,分散1)に従います。

標準正規分布の確率密度関数

f(X)=12πex22f(X) = \frac{1}{\sqrt{2π}}e^{-\frac{x^2}{2}}

計算例

【例題】

とある大学の男子について身長を調査したところ、平均身長170cm、標準偏差7の正規分布に従うことが分かった。では、身長165cm~175cmの人の数は全体の何%占めるか?

身長の確率変数をXと置く。平均170、標準偏差7なので、Xを標準化すると以下にようになる。

Z=X1707Z = \frac{X-170}{7}

よって、

165X175165≦X≦175

1651707Z1751707\frac{165-170}{7}≦Z≦\frac{175-170}{7}

0.71Z0.71-0.71≦Z≦0.71

であるので、

標準正規分布が-0.71~0.71の値を取る確率が答えとなる。

これは標準正規分布表より、0.5223と分かるので、身長165cm~175cmの人の数は全体の52.23%である。

標準化の式の証明

標準化の式を証明します。

正規分布の性質に以下のようなものがあります。

確率変数XXが正規分布N(μ,σ2)N(μ,σ^2)に従うとき、aX+baX+bは正規分布N(aμ+b,a2σ2)N(aμ+b,a^2σ^2)に従う。

上記の性質において、

a=1σa = \frac{1}{σ}

b=μσb= -\frac{μ}{σ}

とおくと、

N(aμ+b,a2σ2)= N(0,1)N(aμ+b,a^2σ^2) = N(0,1)

となるので、標準正規分布に従う。また、このとき

aX+b=XμσaX+b = \frac{X-μ}{σ}

となる。よって

Z=XμσZ = \frac{X-μ}{σ}

は標準正規分布に従う。

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