2017/09/01
2020/04/14
尺度とは?統計学における尺度4種とその違い
統計学において、変数を値が持つ性質で整理したものが尺度です。尺度は一般的に、長さという意味と、物事を評価するための基準という意味がありますが、統計学における尺度は後者に近い意味を持ちます。
4つの尺度の順位とそれぞれの役割
尺度は順序関係を持っており、順位の低いものから、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度があります。尺度が上位であればあるほど、変数の値持ち合わせる意味が増えていきます。例えば、順序尺度は、地震の順序尺度の特徴と同時に、それよりも下位の名義尺度の特徴も持ち合わせるということです。従って、尺度ごとに、利用可能な統計量は決まっているのですが、上位の尺度はそれよりも下位の統計量も全て利用可能ということになります。
下表に、特徴をざっとまとめました。
⇨質的変数と量的変数については、質的変数と量的変数の違い 例を用いて解説!をお読みください。
では、一つ一つどのようなものなのか見ていきましょう。
名義尺度
名義尺度は、質的変数に用いられるもので、同じ値であるか否か以外に意味を持たない尺度です。例えば性別や名前のように、大小関係は無く、お互いを比較する際に、同じであるかどうかだけがポイントになります。
利用可能な統計量は度数、最頻値などです。
順序尺度
順序尺度も、名義尺度と同様、質的変数に用いられる尺度ですが、同じであるか否かに加えて、大小関係を持ちます。例えば、売り上げランキングの順位や成績の5段階評価など、順序関係を持ちます。しかし、値同士の差に意味はありません。
統計量は、順序を持つので、四部位数が利用可能になります。
間隔尺度
間隔尺度は、量的変数の尺度であり、大小関係に加えて、値同士の差にも意味を持ちます。しかし、0は相対的な意味しか持ちません。例えば、西暦・平成や温度、偏差値がそうです。偏差値0は相対的な意味しか持ちませんが、偏差値が50から55に上昇した時偏差値が5増えたということができます。
統計量は、大きさを持つので、平均、標準偏差が利用可能です。しかし、変動係数などは利用できません。
比例尺度
比例尺度は量的変数の尺度であり、尺度の中では最上位の尺度です。間隔尺度までの全特徴に加えて、0が絶対的な意味を持ちます。例えば、身長や大きさ、値段などがそうです。
利用可能な統計量は、値が絶対的な意味を持つので、変動係数や幾何平均を扱うことができます。
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