2020/08/31
【独占】メイテック北平氏、AIに読者の高い関心ー自社2メディア合計で100万PV目指す
「個人のものづくりを応援する ✖ エンジニアと、その周囲にいる人に届ける」というコンセプトの下、エンジニアリングソリューション会社のメイテックが運営するオウンドメディアがある。新しいものづくりを応援する「fabcross(ファブクロス)」と、エンジニアのキャリアを応援する「fabcross forエンジニア」だ。二つのメディアはこれまでに合計1万2000本以上の記事を公開している。
fabcrossはデジタル・ファブリケーションやIoT、パーソナル・ロボからハードウエア・ベンチャーに至るまで、ハードウェアに特化して国内外の最新動向を紹介する専門メディアで、月間約45万ページビュー(PV)を誇る。fabcross for エンジニアは、エンジニアの市場価値向上を目指し、現役のハードウエアエンジニアのキャリアを支援するエンジニア向けメディアで、月間約30万PVを叩き出している。
fabcross、fabcross for エンジニアの編集プロデューサーを務めるメイテック広報部の北平和志氏はこのほど、AVILEN AI Trendの取材に応じ、人工知能(AI)に関連する記事は全体からすると多くないものの、「アクセスを見ると、読者の興味関心が高まってきている」と語り、エンジニアなどの間でもAIに対する関心が高まっているとの見解を示した。
北平氏はその上で、fabcrossとfabcross for エンジニアの合計月間PVについて、現状の約75万PVを2021年度(21年4月~22年3月期)に100万PVまで伸ばすという目標を明らかにした。
目次
「ものづくり企画」が最も人気のコンテンツ
ターゲットは現役エンジニアや学生など
――fabcrossについて紹介していただけますか?
fabcrossは2013年10月、3Dプリンターやレーザーカッターなどを活用したものづくり「デジタルファブリケーション」(デジタルデータをもとに創造物を制作する技術)が取り沙汰されていた中で、ものづくりに関わるメイテックとして情報提供することで、エンジニアを支援しようとスタートしました。ターゲットとなる読者は、世の中すべてのエンジニアと、エンジニアを目指す学生です。
デジタルファブリケーションをテーマとして、IoTやパーソナルロボティクス、ハードウェアベンチャーから、個人でものづくりを行う方々にも焦点を当てて紹介するコンテンツを配信しています。
fabcrossのコンセプトは、「個人のものづくりを応援する ✖ エンジニアと、その周囲にいる人に届ける」です。個人のものづくりをテーマに、現役のエンジニアに加えて、学生をターゲットにしています。
読者の属性はエンジニア(34%)、理系学生(10%)、デザイナーなどのクリエイティブ系(20%)という割合です。理系のテーマを扱っているということもあり、男性(80%)が多く、女性(20%)は少ないなという感じです。
読者が特に興味を持つキーワードは「Raspber ry Pi」
読者が特に興味を持っているキーワードは、「電子工作」、「プログラミング」、「電子デバイス」、「3Dプリント」などです。コンテンツとしては、実際にものをつくって紹介する企画や、個人でものづくりを行う方やハードウエアベンチャーの取り組み、国内外の最新の製品・サービスのニュースなど毎日更新しています。
また、クラウドファンディングなどの情報もタイムリーに配信しています。
――AI関連の記事のコンセプトは?
AIが使われている製品には、個人向けと、企業向けの両面があると思います。ですので、fabcrossでは現在、企業の大小に関わらず、AIが個人のものづくりやビジネスにどう関わり、どう浸透しているのかを探ることをコンセプトとして、両面扱っています。
読者はかなり関心を持っているーAI記事
――AI関連記事の取り扱いは?
AIが実装されたデバイス系の記事へのアクセスを見ると、直近の伸びが大きく、読者はかなり興味を持っていると受け止めています。今後も積極的に紹介していきたいです。
最も読まれるのは電子デバイス関連記事
――fabcrossで、一番よく読まれているテーマは?
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)や、Arduinoなどのシングルボードコンピューターです。こういったものを活用した電子工作や製品の紹介記事や、プログラミングなどを紹介する記事は興味を持って読んでいただけています。
――fabcross編集部門の規模は?
社員のわたし以外に、編集チームは基本的に外部の方々で、常時稼働しているのは約15人です。
内訳は、ものづくりの情報に長けた編集者が5人。実際にものづくりを行うライターが5~6人程度。このほか、取材して記事を書くライターが5~6人です。
――fabcross forエンジニアの編集体制も、fabcrossと同じですか?
そうです。fabcross forエンジニアの方では、一部の読み物記事を社員2名が担当しています。fabcrossとの大きな違いとしては、エンジニアのキャリアにフォーカスしたコンテンツを提供している点です。企業で働くエンジニア向けに、さまざまさ業種、業界のエンジニアのキャリアインタビューや、設計開発ツール、技術情報などを扱っています。
エンジニアやライターのアサインが重要
――二つのメディアの運営上の苦労は?
技術情報をテーマとして扱っていますので、技術の詳細や場合によっては、学術的な内容を理解した上で、執筆、編集する必要があります。また実際にものづくりを行いますので、エンジニアやテクニカルライターという方々のアサインには苦労しています。
また、読者もエンジニアが中心ですので、読みやすいはもちろん、エンジニアが本当に興味を持つポイントはどこかをきちんと把握、理解した上で運営していかないと、愛されるメディアには育っていかないと思っています。
――二つのメディアの数値目標は?
今年度はfabcrossとfabcross for エンジニアの両方を合わせて月間80万PVです。来年度に月間100万PVを一つの大きな定量目標として置いています。
北平和志(きたひら かずし)氏
株式会社メイテック
広報部
編集プロデューサー
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