2020/10/28

2020/10/31

注目のAI開発企業11社!支援領域や提供方法など検証!

AIサービス紹介

ライター:

近年、人工知能(AI)の進化は著しく、ビジネスへの利活用が広がっている。製造工場での不良品検知、医療現場での画像検査の自動化、企業の議事録の自動作成、金融市場での株価・為替の予測など、AI利活用の事例は枚挙にいとまがない。

AVILEN AI Trendは、「第3次AIブーム」をけん引する注目のAI開発を専門にする11社を取り上げ、支援領域やサービスの提供方法などの特徴を検証する。

AI開発企業の活躍シーン

企業がAIシステムの開発を検討する理由は、大きく分けて「新規事業」または「業務効率化」の二つだろう。そこで、既存のツールでは解決が難しい場合に、AIを応用したシステムを導入して解決する、というアプローチがある。

企業の規模やビジネスモデルを考慮すると、解決すべき課題は千差万別だ。そのため個々のニーズに合わせた、オーダーメイドなAIシステムが求められる事が多い。システムを自社で開発できれば理想だが、通常の企業では技術力が足りず開発が難しい場合もある。そこでAI開発企業の出番だ。

上場企業と非上場企業

日本国内のAI開発企業は、上場している大手企業から、非上場のスタートアップまで数百社に上るとみられ、提供している商品・サービスも多岐にわたる。

非上場のAI開発企業は、企業ごとに異なる課題やニーズに応じ、AIモデルを改良したカスタムAIエンジンを提供しているケースが多い。対して上場しているAI開発企業は、蓄積された開発ノウハウを活かし、得意とする業種・分野に対応した汎用的なAIプラットフォームを販売するケースが多い。

上場AI企業

①AI inside手書き書類データ化AI、金融・公共機関に積極販売

AI inside(東証マザーズ上場: 4488)は、ディープラーニング技術を用いて⼿書き、活字、FAX、写真撮影した書類など大量の紙の書類を高精度に自動で仕分け・データ化するAI-OCR(光学文字認識)サービス「DX Suite」を提供するAI開発企業だ。

主力の「DX Suite」の契約実績は2020年6月末時点で5800以上で、AI-OCR市場でシェア首位を誇る。特に情報サービス業界最大手SIerのNTTデータと業務提携するなど、金融機関や公共機関を中心に「DX Suite」を積極的に販売している。

株価は昨年12月の上場時から約10カ月で約6倍になり、時価総額は2200億円規模と、メルカリや弁護士ドットコム、マネーフォワードやSansanなどと肩を並べて東証マザーズ市場の時価総額ランキングでトップ10入りしている。


②PKSHA:複数のアルゴリズムモジュール を各業界の大手に提供

パークシャテクノロジー(東証マザーズ:3993)は、ディープラーニングなどを用いた複数の機能特化型アルゴリズムモジュールを提供するAI開発企業。代表取締役の上野山勝也氏は、AI研究の第一人者と言われる松尾豊東大大学院教授の研究室(松尾研)の出身で、2012年の創業から間もなく NTTドコモや東京電力、リクルート、電通といった大手企業と取引をスタートした。

自然言語処理技術を用いた汎用型対話エンジン「BEDORE(ベドア)」系ソフトをLINEや日本経済新聞社などに提供。顧客行動の予測・推論エンジン「PREDICO(プレディコ)」系の与信・融資ソフトをクレディセゾンに、領域特化型の画像認識エンジン「HRUS(ホルス)」系ソフトを東京電力やNTTドコモなどにそれぞれ提供している。時価総額は700億円前後。

PKSHAは「大学発ベンチャー表彰2017」で「文部科学大臣賞」、第4回「日本ベンチャー大賞」で「審査委員会特別賞」をそれぞれ受賞するなど、その将来性は高く評価されている。開発した多数の機能特化型アルゴリズムモジュールを組み合わせることにより、多種多様な業界ニーズに応えるアルゴリズムを柔軟・迅速に提供している点が特徴だ。

 

③ニューラルポケット世界初ファッショントレンド解析AI、ことし上場

ニューラルポケット(東証マザーズ:4056)は、画像や映像を解析する独自 AI 技術を用いてスマートシティやデジタルサイネージ(広告)、ファッションなどの領域でビジネスを支援する企業だ。世界初のファッショントレンド分析AI「AI-MD」が「第 2 回ディープラーニングビジネス活用アワード」の優秀賞(ファッション部門賞)を受賞した。時価総額は550億円規模。

「AI MD」は、ソーシャルメディアや世界中のファッションメディアから最新のコレクションやトレンド写真といったビッグデータを24時間自動で収集して解析。導入した複数アパレル企業のプロパー消化率(在庫全体のうち定価販売できる割合)が例年比平均10%ほど改善したという実績がある。またスマートシティ関連サービスでは、不動産デベロッパーや官公庁、小売業など各種企業・団体に対してAI ソリューションを提供している。

ことし9月には検温機能付き AI サイネージ、コロナ禍に伴うリモートワーク向けのエッジ AI 技術と PC カメラを用いた在宅ソリューションを相次いで発表。10月に入ると高速走行中や雨天・暗所走行中の車両ナンバープレートを高精度で検知するAI技術を発表するなど、新商品・サービスの開発・提供にも余念がないところが特徴だ。

 

④HEROZ:ゲームソフト X 複数AIエンジンの組み合わせ

HEROZ(東証1部 4382)はB to C(消費者向け)の将棋ソフト「将棋ウォーズ」などで知名度の高いAI開発企業だ。B to B(産業向け)ではディープラーニングを活用した「頭脳ゲームエンジン」「予測エンジン」「分類エンジン」「異常検知エンジン」といった複数のAIエンジンで構成される「HEROZ Kishin」を提供している。時価総額は450億円規模。

HEROZはバンダイナムコホールディングスSMBC日興証券マネックス証券などと資本業務提携を締結。竹中工務店とはシステムを共同開発している。B to C のゲームソフト提供に加えて、B to B で大手企業と業務提携を結んで各社の課題に応じたサービス提供を展開していることが、HEROZのビジネスモデルの特徴だ。

 

⑤FRONTEOリーガルテック × 創薬 × 新型コロナ分析で存在感

FRONTEO(東証マザーズ 2158)は、自然言語処理に特化したデータ解析企業。少量の教師データでも短時間で高精度な解析結果を導き出せる独自開発のAIエンジン「KIBIT(キビット)」が主力。リーガルテックやライフサイエンスといった領域に強みを持ち、近年、特に創薬や新型コロナウイルス関連の分野で活躍している。時価総額は300億円前後。

2020年に入ると、武田薬品工業、および中外製薬と独自開発の創薬支援AIシステムを提供するライセンス契約を締結。また新型コロナウイルス関連で、治療薬候補の選定に有効なメカニズムを解析したほか、約450種類の既存薬転用候補の化合物の発見について発表した。このためAI業界のみならず、金融市場関係者からも注目が集まっている。

 

⑥ブレインパッド 

ブレインパッド(東証1部:3655)は、アナリティクスとエンジニアリングを駆使してデータを価値に変えることでビジネス創造と経営改善を支援するAI企業。機械学習やディープラーニングを駆使して800社以上の企業のデータ活用を支援している。時価総額は300億円規模。

ブレインパッドはディープラーニングを用いたマーケティング、可視化、拡張分析など多数のシステムを提供。例えば、日本航空(JAL)に提供しているレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」は、JALが運営する月間2億PV、1日55万UUを誇る航空券の予約サイト上で、顧客の行動・ニーズに基づいて常時100種類以上のバナーを出し分けている。自動車、金融、航空、食料品、小売り、運輸、物流などさまざまな業界の大手企業を中心にシステムを提供している。

 

非上場AIベンチャー

⑦Preferred Networks:推定企業価値3515億円のユニコーン

Preferred Networksは、NTTファナックトヨタ自動車博報堂DYホールディングス、日立製作所、みずほ銀行、三井物産、JXTGホールディングスといった大手上場による出資は総額165億円に上る日本最大級のAIベンチャーだ。

ディープラーニング技術とロボティクスなどの先端技術を用いて、産業用ロボットや自動運転、創薬の分野で産業の変革を推進。2020年7月にはコンピュータサイエンス教育事業への参入を発表するなど、事業領域を拡大した。

2015年にオープンソースの深層学習フレームワーク「Chainer」を開発。深層学習をウェブブラウザ上で学習できる「Chainer Playground」の無償公開なども行っている。2020年6月に自社開発の深層学習専用プロセッサMN-Coreを搭載したスーパーコンピューターMN-3を発表し、Green500リストで世界1位に輝いた。

日本経済新聞社の「NEXTユニコーン調査」によると、Preferred Networksの推定企業価値は3515億円。評価額10億ドル(約1045億円)以上の非上場のベンチャー企業はその希少性からユニコーン企業と呼ばれ、Preferred Networksもユニコーン企業のリストに名を連ねている。

 

⑧ABEJA 

ABEJAは、ディープラーニングを用い、プログラミングすることなくブラウザ上で自社のビジネスに合わせてAIモデルを作成、運用できる「ABEJA Platform」を開発したAIベンチャー。サイバーエージェントやメルカリ、デンソー、トプコンなど大手企業を含む250社以上に提供しており、ある導入企業が運用コストを50%以上削減した事例もあるという。日本経済新聞社の「NEXTユニコーン調査」によると、ABEJAの推定企業価値は279億円。

ABEJAは近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を力強く支援するプロジェクトを展開していることが特徴的だ。ことしに入ると、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、「ABEJA Platform」を活用したDX推進の重要性を発信している。AVILEN AI Trendの取材でも、「ユースケースを積み上げていくことで、日本のDXを加速させていきたい」と述べている。

 

⑨エクサウィザーズ 

エクサウィザーズは、介護、医療、HR、ロボット、金融など、さまざまな領域でAIプロダクトの開発と実用化を支援するAIベンチャー。「リンクトイン TOP STARTUPS 2020」で2位のスマートニュースを抑えて2年連続で首位に輝いている。

ビジネスモデルは、AIプラットフォーム事業とAIプロダクト事業の二本柱。プラットフォーム事業の主力はAIアプリケーションを開発できる学習済みモデルのプラットフォーム「exaBase」。大手企業を中心に、exaBaseをカスタマイズする形で年間で約200案件ほどの支援を行っている。エクサウィザーズもDX推進の支援に注力しており、大植択真取締役も、コロナ禍で企業のDXが急激に進んでいる現状について「われわれのビジネスにとって追い風」と話す。

 

⑩AVILEN



AVILENは、ディープラーニングを活用して言語、テーブル・画像認識などあらゆる形式に対応する自然言語処理エンジン「
AVILEN PARROT」、最適提案エンジン「AVILEN FALCON」、画像処理エンジン「AVILEN HAWK」として提供するAIスタートアップ。企業ごとに異なるさまざまな課題に応じてこれらAIエンジンをカスタマイズ。文書評価自動化AIや図面認識自動化AI、老人ホーム最適提案AIなどを提供している。

また、AI開発だけではなく、AI人材育成もメイン事業として取り組む。AI人材育成分野では、JDLAのE資格試験で合格率94%などの実績を持っている。

 

MatrixFlow

MatrixFlowは、プログラミング不要でAIを構築できるSaaS型サービス「MatrixFlow」を提供するAIスタートアップ。「MatrixFlow」を活用したAIの受託開発、企業の内製化支援コンサルティングサービスなどを行っている。MatrixFlowのユーザー数は1000人以上。

「MatrixFlow」は、ブラウザですぐに使い始めることができ、ドラッグ&ドロップなどのマウス操作のみで機械学習・深層学習・データ分析や前処理ができる。導入先は竹中工務店やディップなど。今後、提供先の拡大に注目したい企業だ。

まとめ

AVILEN AI Trendは、AI開発を専門とする上場・非上場の注目11社の支援領域や提供方法などににスポットライトをあてた。11社のそれぞれが独自の技術力を凝縮したAI商品・サービスを開発し、その提供方法に至るまでいろいろな工夫を凝らしていることがよく分かる。

また「コロナ禍」に伴うリモートワークの広がり・浸透を見逃すことなく、ディープラーニングを用いたAI技術を駆使して、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援している非上場AIスタートアップの果敢な取り組みも注目に値する。AI技術は目覚ましい進化を続けており、松尾豊東大大学院教授も、第3次AIブームの火付け役となったディープラーニングこれからいろいろなブレークスルーがある」と主張している。

企業によるAI開発・導入の気運は、今後ますます高まる公算が大きい。もしも、ある企業がAIの開発・導入を検討するのなら、まずは自社のビジネスモデルや業務内容、そして解決すべき課題を洗い出してほしい。その上で、どのような形でAIを利活用することが、自社にとっての最適解なのかをじっくりと吟味、検討した上で決断、そして行動に踏み切ることが肝要だろう。

(totalcount 939 回, dailycount 125回 , overallcount 3,616,063 回)

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