2020/07/02
【独占】データサイエンスコンペ参加者、3年後に1万人超目指すーNishikaの松田CTOインタビュー
Nishikaの松田裕之代表取締役CTOはこのほど、AVILEN AI Trendのインタビューに応じ、自社で運営するデータサイエンティストによる人工知能(AI)開発コンペのプラットフォーム「Nishika」について、3年後にユーザー数1万人超を目指す考えを明らかにした。
松田氏の発言は次の通り。
データサイエンティスト数百人がAIモデルの精度を競う
――主力のソリューションは?
データサイエンスコンペティションというサービスを提供しています。昨今、AIを開発するベンダーは本当に数多く出てきていますが、弊社は数百人のデータサイエンティストにAIモデルの精度を競い合っていただき最も良い精度のものを納品させていただくという仕組みで、あまり他にないサービスだと思います。
具体的には、例えばクライアントから「需要予測モデルを作りたい」と依頼をいただいた場合、需要予測に使える、例えば過去の売上などのデータを1年分いただきます。1年分のうち11カ月分を公開し、それをもとにAIモデルを作っていただき、残りの1カ月の売上を予測いただく、というような形でコンペを設計します。
数百人のデータサイエンティストにAIモデルの精度を競い合っていただき、リアルタイムで精度をスコアリング・ランキング表示しながらコンペが進みます。2~3カ月ほどでコンペは終了し、最も精度の高かったものをクライアントにお納めします。
――この事業をスタートしたきっかけは?
米国で同様のビジネスをしている会社、Kaggle社を参考にさせていただいたというのが経緯です。
――日本での競合は?
数は多くはありません。競合として有名なのはSIGNATE社です。オプトホールディング社の子会社にあたり、圧倒的な大企業ですので競合と申し上げるのもおこがましいですが、一応、先行の競合ということになります。
データサイエンティスト特化Q&Aサイトなど強み
――Nishikaの強みは?
Nishikaは、もともとコンペをやりたいということだけから創業したのではなく、ややもすれば壁が高い、ビジネスとデータサイエンスの間をつなぐ存在となっていきたいという思いから始めました。データサイエンスコンペは、両者を繋ぐ一つの形と捉えています。
他のサービスとして、データサイエンス特化のQ&Aサイトを先ごろリリースしました。また、データサイエンティストの求人マッチングサービスも開発中です。いずれも、ビジネスとデータサイエンスを繋ぐものが形を変えて存在している、と捉えています。
Kaggle社や、SIGNATE社とは目指すところが少し異なると考えています。
――中長期の事業戦略・目標は?
まずは多くの方に使っていただけるサービスとなることを目指しているので、ユーザー数です。例えば3年後に1万から2万人ですとか、そういったところを目指していきたいと思っています。
AI導入で顧客サポート、自社開発も
――アピールしたいことは?
今後の展開について少しだけ補足をさせていただくと、先ほど、コンペ、QA、求人とバラバラと申し上げましたが、互いに関連性があると捉えています。
コンペとQ&Aのプラットフォームを通じて、データサイエンティストの方々がどういったことに強みがあるか、というデータが蓄積されてくるので、もしキャリアを考えられる際には、適材適所でマッチングさせていただける可能性が上がるのではないかと考えています。
もう一つ、データサイエンスコンペは、あくまで問題解決手段の一つと捉えてお客様と接しています。実際、コンペの設計段階では、タスクが簡単すぎないか、難しすぎないかを実際にモデル構築を行って検証した上で、コンペをやりましょう、という最終判断をします。
コンペを開催することを大前提とするのではなく、問題解決の手段としてデータサイエンスコンペが有用かどうかという、いわゆるコンサルティングのフェーズから、お客さまと話をさせていただいています。
――NishikaもAIを独自開発するのですか?
はい、お客さまのご要望によっては、弊社自身でモデル開発することもあります。ただ、やはり多くの優秀な方がしのぎを削るコンペという形式で開発させていただいた方が、より良いモデルができるとは考えています。
松田 裕之氏
代表取締役 CTO
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