2020/07/10

2022/11/17

【独占】太陽誘電が若手AI人材育成ーG検定の合格者9割

G検定, インタビュー

ライター:


太陽誘電の研究施設「R&Dセンター」(群馬県高崎市)アプリケーション開発部の寶藏寺学部長はこのほど、AVILEN AI Trendのインタビューに応じた。

寶藏寺部長は、太陽誘電のAI(人工知能)人材育成の取り組みと、AVILENが提供する日本ディープラーニング協会(JDLA)G検定対策講座活用、2020年3月のG検定(2020#1)の受験・合格者などについて話した。

「R&Dセンター」

太陽誘電は1950年創業の電子部品メーカー。1998年にそれまで分散していた研究開発機能を集約した「R&Dセンター」を開設した。同センターは当時としては先進的な「フリーアドレス制」を備え、新しい技術などが湧き出してくることを願い、礎石に「源泉」と刻まれている。

R&DセンターでのG検定対策講座

 56人受講-G検定対策講座「関心高い」

 寶藏寺部長の発言は次の通り。

――対策講座受講の狙いをご紹介ください。

若手のエンジニア育成のためです。AI(人工知能)の基本的な知識を理解してもらうことが目的です。

G検定対策として、AVILENの講師に、太陽誘電R&Dセンターで講義していただきました。

対策講座は、若手を中心に自主的に参加者を募りました。受講者は56名となり、テストケースとしての取り組みで、告知から受講までが短い中でも、多くの方に参加いただけたことで、社内でも関心が高いテーマだとあらためて気付きました。

合格者9割―G検定(2020#1)

 


――2020年3月実施のG検定(
2020#1)試験の受験・合格実績をご紹介いただけますか?

対策講座に出席した全員がG検定を受験とはなりませんでしたが、当社受験者の合格率が90%と高かったのは、対策講座やオンライン教材などが良かったためだとと思っています。

――G検定の対策講座と受験に関する社内アンケートの結果をご紹介ください。 

半数以上の方が「難しかった」と感じたもようです。ただ、背景としてはAVILENに対策講座をご対応いただいたのが2月20日で、G検定の試験日(3月14日)までの時間的余裕が少なかったことが要因として考えられます。

同様に、学習時間についても、平均すると10時間から20時間程度しか確保できず、不合格だったメンバーはいずれも平均と比べて学習時間が確保できていなかったことが分かっています。

G検定の学習に使った教材は、AVILENのオンライン教材と、JDLAの「深層学習教科書ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)公式テキスト」、市販の問題集などです。

同様の対策講座やG検定受験の支援を展開したほうがいいかという質問に対して、「展開したほうがいい」という回答が圧倒的なので、概ね今回の取り組みは好評だったと受け止めています。

不良ゼロが目標―「Smart.Eプロジェクト」 

 ――太陽誘電のAIに関連する取り組みをご紹介いただけますか?

ものづくりの進化として、生産性改善を目的に生産現場の見える化である「Smart.Eプロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトでは、IoTとビッグデータを駆使して生産性向上、ゼロ・ディフェクト(不良ゼロ)を目標にしています。

ビッグデータの解析にはAIを活用することで、異常の早期発見を実現しています。将来的には異常の未然防止につなげ、ロスを最小限にすることが目的です。

 ――太陽誘電のAI開発についてご紹介ください。

現在の「Smart.Eプロジェクト」で使用しているAIは内製しています。

それとは別に、ソリューション提案を目的にした新規事業分野では、外部のAI技術を有する企業と協業を進めながら、システム開発を行っています。

――太陽誘電のAI人材についてご紹介ください。

現状では生産性改善を主としたメンバーのみですが、今後は研究開発分野にこそAI技術を有するメンバーが必須となると考えています。従来の開発手法に加えて、AI技術を使った開発手法を積極的に取り入れ、技術開発力の強化を目指しています。

研究開発力を強化 

――AI導入・人材育成の観点で、他社をどれぐらい意識していますか?

競合他社では、すでにAI技術を活用した研究開発に取り組んでいると伺っています。当社もその流れに遅れることなく、最先端のものづくり企業として研究開発力の強化を進めていきたいと考えています。

――AI導入・AI人材育成などで悩みはありますか? 

まずは人を育成しなければならないということです。やはりAIもそうですが、統計とかデータをちゃんと扱い、データベース化するという考え方を、社員に意識させなければなりません。

――AI人材の必要性についてお考えは? 

今後、日本のメーカーにとって必要だということは間違いありません。AI人材というよりは、ほぼ全社員が、AIの考え方を含め、統計やデータ重視の考え方を持たないといけないと思っています。やはりデータも重視して分析する能力が重要です。その仕組みの手法がAIなので、そういう考え方の教育をしていかなければ厳しいと思っています。

 

(totalcount 3,890 回, dailycount 19回 , overallcount 16,630,871 回)

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