2020/07/01

2022/11/17

【独占】純真学園大学・村中光副学長「G検定、全受講者に取得してもらいたい」ー「人工知能学」新設

G検定, インタビュー

ライター:

純真学園大学の村中光副学長兼研究科長(医学博士)はこのほど、AVILEN AI Trendの独占インタビューに応じ、今年4月にスタートした講義「人工知能学」に関連して、「受講者みんなにG検定を取得してもらいたい」と述べた。

純真学園大学は福岡県福岡市に本部を置く日本の私立大学。看護学科、放射線技術科学科、検査科学科、医療工学科の4つの専門学科を持ち、医療をつなぐスペシャリストを育成している。18年4月には大学院保健医療学研究科(修士課程)を開設した。

JDLAはディープラーニング(深層学習)技術の産業活用を促す一般財団法人。ディープラーニングの基礎知識を事業に活用できる人材(ジェネラリスト)として認定する G検定 (オンライン受験)と、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)として認める E資格 (試験会場受験)を実施している。

AI技術を通訳できる人材育てたい

――純真学園大学のAIに関する教育方針を教えてください。

AI(人工知能)時代を迎えるにあたり医療の特殊性を理解した上でないと実効性の高いシステム導入は難しいと日頃から感じていました。しかしAIやコンピュータという学問は、臨床工学や放射線技師の分野には、ある程度の知識の項目がありますが、医学部や関連学部に本格的に取り組む体制はほとんどないのが現状です。

そこでG検定 の取得を目指すカリキュラムをつくり、医療とAI技術者の間の橋渡し、あるいは通訳できる人材を育てようというのが発想の原点です。まず、最初の試みとして、ディープラーニングをカリキュラムの中に入れ、G検定を取得させ、医療とAIの知識を持った人たちを世の中に送り出したいと考えています。

人工知能学ー今年4月スタート

――2020年4月からG検定の取得を目指す科目を学部カリキュラムに組み込んだと。

はい、組み込まれています。もともとある情報科学で一定レベルまで達した人で、なおかつ、成績がある一定以上の人が対象です。希望者の中から選抜する形でで始めました。情報科学は必須で、そこから先にG検定コースというか、「人工知能学」を始めました。学習が進んだ段階で、G検定を取りに行ってもらう科目です。この科目は、4学科すべての希望者が受けられます。

――4つの学科の学部生が、「人工知能学」を受講できると。

そうです。またしばらくは大学院修士課程も希望者は受けられます。医療系大学ですから診療放射線技師や臨床工学技士といった資格はほぼ皆が取得しますが、工学系の人たちに対抗するために、人工知能学を学んでG検定を取得すれば、医学のことが分かるということも一つの強みなので、工学系の人たちと勝負できるという気がしますし、社会人コースもあると思います。

G検定、受講者みんなに取得してもらいたい

――学部での「人工知能学」の受講者数は?

学部からの希望者40名から選抜した15名です。ことし初めてのことですが、受講者みんなにG検定を取得してもらいたいと考えています。

医療に適したAI教育を推進

――大学院で人工知能学に関連する講座を設ける可能性は?

もちろん、やぶさかではありません。ただ、設けるとしても、純粋な工学部で学ぶようなディープラーニング・AI講座というよりも、医療に対して適応したAIを学ぶということです。例えば、AIを活用した事務的処理や、病気の診断、画像処理、診断基準の作成、AI診断、登録システムなど多岐に渡ります。いわゆる普通の工学科のAIとは違う分野になります。そのような学問を教えるところは、今まで、ほとんどないので、そういう講座にしたいと考えています。

さらに発展的に後期大学院も視野に入れています。その場合はE-検定取得を目指すことになると思います。将来的には医療工学界で企業体との共同研究などがどんどんできて、開発まで結び付いていけばいいなと思っています。

――学部で人工知能学を教えてらっしゃる教員の方について教えてください。

実務的にAIについて論文をたくさん書いていてG検定ももっている経験豊かな教員達と純粋な工学博士の混成チームです。

――医療の現場でAIに関する知識を持っている方は少ないですか?

少ないですね。何故かというと、そういう人を育てる仕組みがないからです。AI関連の論文を書いたり、機器開発に携わっている人間はいますが、個人で勉強した人たちです。放射線科医あるいは診療放射線技師の中にはAIを好きな人たちが結構います。提携機関である国立病院機構九州医療センターの放射線科医のトップも、G-検定を持ってますしAI関連の論文も多いです。ですが、やはりシステム的に(AIを学ぶ環境が)なく系統だった知識という点では多少問題があります。

(totalcount 1,185 回, dailycount 3回 , overallcount 16,431,551 回)

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