2020/04/24
2020/05/01
AIがマグロの「目利き」、尾の断面データを機械学習、その名も「TUNA SCOPE」ー電通らの事業を水産庁が補助へ
電通(東京都港区)と崎恵水産(神奈川県三浦市)が取り組むマグロ品質判定AI(人工知能)「TUNA SCOPE」を活用したマグロ輸出事業が水産庁の補助事業として採択された。補助金上限は1億円程度。「TUNA SCOPE」は、マグロの尾の断面スキャンから瞬時にその品質を判定するAIモデル。人間が10年かけて目利きを行う4000~5000点規模のマグロの尾の断面を同じ枚数の画像データに替えて機械学習させ、1カ月で「目利き」のノウハウを習得させたという。
目次
マグロの尾の断面スキャンから瞬時にその品質を判定するAIモデル
5000点規模のマグロの尾の断面を画像データに替えて機械学習
水産庁は、電通(東京都港区)などが取り組んでいるマグロ品質判定AI(人工知能)「TUNA SCOPE」は、マグロの尾の断面スキャンから瞬時にその品質を判定するAIモデルで「TUNA SCOPE」を使ったマグロ輸出事業について、2019年度の「水産物輸出拡大連携推進事業」として採択した。「TUNA SCOPE」を商品仕入れのフローにを導入したマグロなど水産物の加工・販売の三崎恵水産(神奈川県三浦市)は、米ニューヨークとシンガポールの店舗で「TUNA SCOPE認証マグロ」として提供する。電通が発表した。水産庁は1つの課題提案に対する補助金上限を1億円程度と定めている。
、電通と電通国際情報サービス(ISID)が共同開発。双日(東京都千代田区)の協力を得て、人間が10年かけて目利きを行う4000~5000点規模のマグロの尾の断面を同じ枚数の画像データに替えて機械学習させることで、わずか1カ月で「目利き」のノウハウを習得させたという。これにより、24時間365日、世界中どこでも稼働可能な新しい「目利き」の後継者が生まれたとしている。
場でのマグロ検品フローへの本格的な導入を目指すー機械学習を継続中
電通などで構成するAIマグロ事業局によると、現在、工場でのマグロ検品フローへの本格的な導入を目指して断面データの機械学習を継続中。同事業局は、「日本に留まらず、世界中の漁場からデータを集め続けることで、近い将来、公正な目利きの世界基準が確立されることを目指しています」とコメントしている。
味・食感・鮮度・脂のノリなど品質示す全情報が凝縮ーマグロの尾の断面
電通によると、マグロの尾の断面には、味や食感、鮮度、脂のノリに至るまで、魚体の品質を示すあらゆる情報が詰まっている。日本の市場でも数少ない熟練職人は、長い修業をへてこの断面による「目利き」をマスターしてマグロを買い付けているという。
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