2020/08/23

DCON2020 東京工業高専が最優秀賞-深層学習で点字相互翻訳

ビジネス・イベント

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高等専門学校生が人工知能(AI)の手法であるディープラーニング(深層学習)と、ものづくり技術を駆使して創出した事業を競う「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON2020)」(第1回)が22日開かれ、最優秀賞に東京工業高等専門学校のプロコンゼミ点字研究会が開発した自動点字相互翻訳システム「:::doc(てんどっく)」が選ばれた。

 

「:::doc(てんどっく)」は、視覚障害者が自らが紙の印刷物をスキャンして全自動で点字を出力するシステム。墨字と点字の壁を取り払い、視覚障害者の方が自身で印刷物の内容を把握したり、自身が書いた点字の文書を墨字で印刷して配布することが可能。企業評価額(バリュエーション)5億円、投資額1億円とされ、起業資金100万円が授与された。

2位は鳥羽商船高専、3位は佐世保高専

2位は鳥羽商船高等専門学校のNIT TOBA, SiraisiLAB。糖度の高いミカンの生産を支援するアプリ「MIKAN」と、スプリンクラーを用いてミカンの日焼けを防止するシステム「ひやけ果ORANGE」が高く評価された。企業評価額は5億円、投資額は7000万円とされた。

 

3位は佐世保工業高等専門学校の佐世保高専魚市場チーム。巻き網漁の後に水揚げされ、魚市場などで行われている魚の種類を選別する作業を自動化するシステム。企業評価額は5億円、投資額は5000万円だった。

深層学習 × ものづくりで事業創出

DCONは、創出した事業を企業評価額に見立てて競うイベント。日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催し、日本経済新聞社が共催した。昨年のプレ大会「DCON2019」には8チームが最終審査に進み、長岡工業高等専門学校の長岡高専プレラボチームが最優秀賞を受賞した。企業評価額は4億円、投資額は4000万円だった。

上場・グローバル展開を-松尾JDLA理事長

松尾氏

今回、本当に感動しました。非常にレベルが高かったと思います。コロナで大変な中、本当によく頑張ってくださったと思います。

今回、本当にレベルが高かったのですが、優勝チーム5億円×3ということで、前回よりも非常にレベルが上がり、しかも、厚みが出ています。

昨年のプレ大会で優勝、準優勝のチームがそれぞれ起業しています。この起業した会社が大きくなって、バリュエーションをどんどん上げて、いずれ上場するところが出てくると思う。上場してさらにグローバルに事業をどんどん広げてもらいたい。先輩が頑張って、後輩がそれに続くということをぜひ実現したいと思います。

いろいろな技術にディープラーニングの技術を組み合わせて、身近な課題を解くということこそが日本の強みだと思います。高専生こそが、そういう力、可能性をもっていると思います。

今、米国や中国でAIの技術が伸びてきて、非常にすごいのです。日本には日本なりのやり方があり、こういう現場の技術者が創意工夫で新しいものを生み出し、経済の成長を生み出していくのが基本だと思っています。それをまさに体現していただいていると思います。

「DCON2020」の結果

9位
長岡工業高等専門学校 長岡高専プレラボチーム
「イルカ(いるか?)」
企業評価額5000万円
投資額500万円

8位
香川高等専門学校 MitoyoRobotics
草刈りロボット
企業評価額5000万円
投資額500万円

7位
モンゴル3高事連合 モコ
山火事の早期発見とその拡大予測
企業評価額5000万円
投資額1000万円

6位
鳥羽商船高等專門学校 ezaki-lab
RouteMap
企業評価額1億円
投資額3000万円

5位
沖縄工業高等事門学校 Fish learning 2.0
美ら海の環境保護プロジェクト
企業評価額1億5000万円
投資額1500万円

4位
長岡工業高等専門学校 長岡高專視覚情報処理研究室
事故抑制デバイス「カリスモ(CarLisMo)」
企業評価額3億円
投資額3000万円

3位
佐世保工業高等專門学校 佐世保高専魚市場チーム
高速魚種選別システム
企業評価額5億円
投資額5000万円

2位
鳥羽商船高等專門学校 NIT TOBA. SiraisiLAB
高品質カンキツ育成支援システム
企業評価額5億円
投資額7000万円

1位
東京工業高等専門学校 プロコンゼミ点字研究会
自動点字相互翻訳システム「:::doc(てんどっく)」
企業評価額5億円
投資額1億円

(totalcount 2,059 回, dailycount 1回 , overallcount 16,440,590 回)

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