2020/08/03

【独占】AIカメラが不審者声掛け、内蔵の街灯に複合タウンから引き合い-Secual菊池社長

インタビュー

ライター:

人工知能(AI)技術を活用し、スマートでリーズナブルなホームセキュリティを提供する企業がある。画像処理プロセッサ、顔認識、音声認識・対話制御、音声合成の4機能を融合させた次世代AIカメラと、これを内蔵した次世代の街灯を提供・運営するIoTベンチャーのSecualだ。

 

Secualの強みの一つが企画・開発力。東証1部上場の大手通信・情報機器メーカーや非上場のAIスタートアップの中心で旗を振り、各社の強みを結集した次世代AIカメラ「Secual Cam Ady(セキュアル カム アディ)」を共同で開発。この次世代AIカメラと、これを内蔵した街灯「Secual Smart Pole(セキュアル スマート ポール)」を関東のスマートタウンが導入した。

Secualの菊池正和代表取締役CEOはこのほど、AVILEN AI Trendの独占インタビューに応じ、全国の複合タウンなどから、Secual Cam AdyとSecual Smart Poleに対する引き合いが強まっていることを明らかにした。

 

政府はAIやIoT、ビッグデータなどの最先端技術を活用して交通や健康・医療、災害といった課題を解決する「スマートシティ」プロジェクトを全国規模で推進しており、Secualの今後の事業展開が注目だ。

「見ているだけ」から「話しかける」へ-次世代AIカメラ

「Secual Cam Ady」は、AI音声対話機能を搭載したコミュニケーション・カメラ。ソシオネクストのイメージシグナリングプロセッサ「Milbeaut」、沖電気工業(OKI)の顔認識AI「FSE」、TISの音声認識・対話制御AI「COET」、エーアイの高性能音声合成AI「AITalk」の4エンジンを搭載。

来訪者がカメラに話しかけると、AIが回答を自動生成する。住宅の出入口に立ち止まった人に対して自発的に声を掛けたり、事前に顔の画像を登録した家族を検出すると、施錠・開錠、セキュリティ機能のオン・オフを自動で行う。建物や部屋への出入り人数や回数、性別、年齢などの推定データも収集する。

次世代の街灯「Secual Smart Pole」

次世代の街灯「Secual Smart Pole(セキュアル スマート ポール)」は、①街灯、②防犯、③防災、④見守り--の4機能を持つ。

子供が身につけた「Secual Smart Tag」の信号受信

特に見守り機能は、子供が身につけた「Secual Smart Tag(セキュアルスマートタグ)」の信号を受信し、受信状況を専用アプリに通知する。積水化学工業は2019年4月、スマートハイムシティ朝霞(埼玉県)に、Secual Cam AdyとSecual Smart Poleを昨年導入した。

新しい防犯システム-センサーで波形データ収集

―Secualのホームセキュリティとは?

もともと大手機械警備会社は、人の力で防犯をビジネスにしてきました。すばらしいと思うのですが、人を抱えてしまう以上、どうしても固定費がかさむため、なかなか万人が使えるような安価なサービスにはしづらいというところがあります。

Secualがスマートホームセキュリティを始めたきっかけとして、その隙間を縫って、テクノロジーの力で、人を介さなくても、一定レベルのセキュリティを「当たり前化していく」、「民主化していく」という取り組みをしています。

家に神経を通す

Secualは、センサーを使って、波形データを取って、その波形データの揺れ方で、そこで何が起こっているかを解析するアルゴリズムを作って、今までにない新しい防犯システムを手掛けています。

防犯的な観点では、窓を割るような侵入、窓の開閉、こじ開けなど全てをセンシングでき、IoT的な観点では、加速度センサーによって、窓を右から左に開けたとか、左から右に開けたとか、地震によってどれぐらい家が揺れたかという波形のビッグデータを取ることができるのです。

この取り組みをIoT的な観点で捉え「家に神経を通す」という言い方をしています。

家は、壊れても、古くなっても、しゃべれないので、家の状態を可視化するという意味で、こういった取り組みが、防犯の先のビジネス展開として、とても面白いと思っています。

次世代AIカメラ「Secual Cam Ady」

その延長で、「Secual Cam Ady」をラインナップとして追加しました。

二つの特長があります、一つは、玄関先に付けていただいて、家の周りの防犯性能を高めるということです。警視庁のデータなどでも示されているのですけれども、侵入犯は、かなり念入りに下見して、その家の侵入経路が人目につきづらいか、昼間いない家か、ということを見に行くらしいのです。

このため、侵入された時の防犯の一歩手前で、家の周りの不審者、不審な動きを検知するために、カメラを家の「目」として付けていこうという発想です。

もう一つの特長は、OKI社(沖電気工業)やエーアイ社との取り組みによる自動的な音声対話機能です。家の前を不審者が通ると、カメラが自発的に声掛けをしてくれます。万引き犯などもそうですけれど、声を掛けられると逃げるのです。

また、ご自宅にお住まいの方が帰ってくれば、AIカメラと会話して、自動的にセキュリティを解除してくれます。顔認証で判別して、家に住んでいる人かどうかで判別するのです。

OKIなどパートナー4社と商品化

Secualは、大手企業と一緒に新しいソリューションビジネスを世の中に広げることを得意とする会社です。テクノロジーの部分をいろいろな会社とのパートナーシップの下で実現しています。

Secualの商品は、メイド・イン・ジャパンで作っています。パートナーもメイド・イン・ジャパンの方々とご一緒することが多く、このカメラの心臓部のプロセッサ部分はソシオネクスト社、その上で動く顔認識のAIエンジンはOKI社、自然言語で話す部分はエーアイ社です。人間が「おはよう」と言うと、「おはよう」と言い返す音声対話の部分はTIS社のAIエンジンを使っており、それらを組み合わせて、このカメラの商品化が実現しました。

130世帯にAIカメラ、街灯60本-スマートシティに

――スマートシティでの取り組みは?

19年4月、スマートハイムシティ朝霞の全130世帯の玄関先にSecual Cam Adyを設置させていただいています。

――「Secual Smart Pole(セキュアル スマート ポール)」についてご説明いただけますか?

スマートハイムシティ朝霞にはSecual Smart Poleが60本導入されていて、全ての住民の方々に「Secual Smart Tag(セキュアルスマートタグ)」を持っていただいているので、お子さまが街を動き回ったり、街の出入りを全部、家族に通知できるようになっています。

このような日々の行動履歴や映像の解析結果がサーバーにどんどん蓄積されていくので、例えばこの街の人通りはけっこう多いけれども、死角となっているのはどこだとか、データを使っていろいろな解析を進めていくフェーズに入っていけるタイミングが来るのではないかなと思っています。

「一戸建て」から「タウン」へ

一戸建て一軒一軒のセキュリティがつながると「線」となり、その「線」が束になれば、一つの「街」になっていくわけです。

当初の目的でもある「安心をもっとカジュアルに」と、昔ながらの町内会文化を少し発展させ、地元密着型で、新しい安心・安全な街づくりに貢献したいと思っています。

テクノロジーを使った一つの手段として、スマートタウンにセキュリティサービスを提供しています。

子供・高齢者を見守り-5色LEDで避難誘導

Secual Smart Poleの内部にはSecual Cam Adyが内蔵されています。お子さまやお年寄りをセンシングできる機能を備えています。

弊社のシステムで全てのPoleをコントロールできるようになっています。フルカラーのLEDを搭載し、防犯情報や防災情報が発信されると、LEDを使って避難誘導したり、非常事態宣言が出された時なども、全ライトを赤く点滅させることができます。

クリスマスなどのイベントがある時には、きれいなイルミネーションとして使うことができる街灯です。

内蔵カメラのSecual Cam Adyは、映像を録画するだけではなく、動きや人物を検知できます。

人流・違法駐車の検知も目指す

――人物・物体検知を含む街灯、防犯、防災、見守りの4機能以外の機能は?

今後、人流や車が違法駐車されているのを検知するなど、順次、画像解析の性能を高めていきたいと思っています。

複合タウンに提供へ

――全国展開を目指していると?

そうですね。まず積水化学工業さんと、新しい街づくりをスタートさせていただきましたので、彼らが今後手掛ける一戸建てやマンションや商業施設、病院などが隣接した複合タウンに、標準でこの街灯が導入されていく予定になっています。

それ以外にも正直、かなり引き合いが強いので、いろいろなお話をいただいています。

技術力と「地域見守り隊」のコラボ

――地方自治体からの引き合いは強い?

そうですね。タウンセキュリティのようなものと非常に相性がよいと思っています。高齢者や、お子さまの見守りのようなものですね。

特に今の高齢化社会を考えると、地方に行けば行くほど、独り住まいのお年寄りも多く、いかに孤独死を防ぐかとか、お子さまの登下校の合間を見守ってあげられると考えています。

Secualがテクノロジーの力で提供できる部分と、登下校時におじいちゃん、おばあちゃんが交差点の横断歩道で案内してくれるような昔からある「地域見守り隊」のようなものをうまく組み合わせて、地域に根づいた見守り防犯サービスのようなものを提供できるといいなと考えています。

菊池 正和(きくち まさかず)氏

株式会社Secual

代表取締役CEO

  • 1998年3月 芝浦工業大学電気工学科卒業
  • 1998年4月 第二電電株式会社(現・KDDI株式会社)に入社
  • 2014年10月 KDDI株式会社を退社
  • 2015年8月 株式会社ブイログ 設立、代表取締役に就任
  • 2016年10月 株式会社ブイログ 代表取締役を退任
  • 2016年11月 株式会社Secual取締役副社長に就任
  • 2018年6月 株式会社Secual代表取締役CEOに就任

 

 

(totalcount 441 回, dailycount 22回 , overallcount 2,858,220 回)

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