2020/06/30

2020/07/18

【独占】OKI、9月下旬に「AIエッジ・コンテスト」ー「AE2100」で課題解決力競う

インタビュー

ライター:


人工知能(AI)を活用してデータを収集元近くで処理する「AIエッジコンピューティング」の戦略を強力に推し進めている沖電気工業(OKI、東京都港区)は、主力のAIエッジコンピューター「AE2100」を使って社会・顧客の課題解決に結びつく先進的なアイデアを競う「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト」(OKI主催)を9月下旬に開催する方針を固めた。近く予選を通過した20社を公表する。

OKIの坪井正志取締役専務執行役員(ソリューションシステム事業本部長)がこのほど、AVILEN AI Trendの独占インタビューで明らかにした。

「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト」は東京ミッドタウン日比谷6Fの 「BASE Q」で、会場とコンテスト専用ウェブサイトをオンラインでつなぐ「リアル+バーチャル」形式で開催し、YouTubeで中継する予定。

「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト」の来場者は、予選を通過した20社のほか、OKIのAIエッジパートナー数十社、オンライン視聴者や報道各社などを含めて総勢千数百人規模となる見通し。AIエッジパートナーや「AE2100」のモニターキャンペーン参加社などによる投票で優勝者を決める。


インテル、MSと提携ー「AE2100」

 


アンドレス イニエスタ選手(ヴィッセル神戸所属)

OKIのAIエッジコンピューター「AE2100」は、高速ディープラーニング(深層学習)の推論環境を提供するインテルの「OpenVINO ツールキット」を搭載。カメラや各種センサーから多量なデータを高速処理できるAIアクセラレーター「インテル Movidius Myriad X VPU」を2チップ搭載可能で、高速なディープラーニング推論の処理ができる。

高い環境性能ー摂氏マイナス20度~プラス60度

マイクロソフトMicrosoft Azure IoT Edge認定も得ており、クラウド上で作成されたAIモデルのエッジへの展開・活用が可能なほか、AE2100本体は摂氏マイナス20度~プラス60度に対応し、標準で用意されている屋外BOXを利用することで過酷な屋外設置※にも耐える環境性能を備えている。

※屋外収容BOXのオプションで対応する屋外の周囲環境温度条件は摂氏マイナス30度~45度(日射あり)

「AE2100」実機上で解析・予想

「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト」は、「AE2100」の実機上で、OKIが注力する交通、建設・インフラ、防災、金融・流通、製造、海洋の6分野を軸に、センサーなどから得た画像や音響、振動などのデータをAIモデルなどを活用して社会課題や顧客課題の「課題解決性」やアイデアの「先進性」を競う。優勝賞金は200万円。

新型コロナで2回延期ーコンテスト

OKIは2019年10月3日、AIエッジコンピューティング戦略発表会で「AE2100」を発表。コンテストは2020年1月初旬までに、応募した数十社の中から、20社が予選を通過した。OKIは当初、本選を20年3月6日に都内で開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2回延期し、本選は9月以降(未定)としていた。

坪井氏の主な発言は次の通り。

――ソリューションシステム事業本部としてのイチ押し商品と強みをご紹介ください。

AIエッジコンピューティング戦略です。

センサーから得られるデータをクラウド環境で処理をするのでは処理速度が少し遅いということで、AIエッジコンピューティングを重視しています。

エッジコンピューティングでディープラーニングの推論を動かすには、パワー、信頼性、セキュリティーなどが必要なので、メーカーとして自分たちで作ろうというのが、AIエッジコンピューター「AE2100」を開発した動機です。

長年お付き合いしている重要なパートナーであるインテルマイクロソフトと一緒に、アーキテクチャを完成させました。

市場価格18万円からで、この中にLTE、無線LANが入っており、汎用性が高いものです。耐環境性が高く、摂氏マイナス20度からプラス60度です。

交通、建設・インフラ、防災、金融・流通、製造、海洋とぃう6つの分野で、AIエッジパートナーの70社以上といろいろ競争でPoC(実証実験)を行っています。

短期間に非常に多くの企業に、AIエッジのパートナーとして集っていただきました。昨年10月3日に「AE2100」を発表し、150社向けにモニターキャンペーンを行ったところ、すぐいっぱいになってしまいました。そこで今年2月末に新たにモニターキャンペーン第二弾で、対象を150社追加し、合計300としたところ、現在、申し込み企業は200社以上になっています。

20社が違うテーマでAI駆使ー開催「9月下旬」を明言


――「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト」の狙いは?

「AE2100」をモニタープログラムで無料配布し、大きい会社、ベンチャー会社も含めて、いろんな試みをしていただいています。特にディープラーニングでいろんなモデルを作っていただいていることが見えていたので、ソリューションコンテストを3月に開催しようとしたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、延期しました。

今、これを9月にやろうと考えています。今どきの流れとして、リアル対バーチャルという形で開催します。東京ミッドタウンの「BASE Q」で開催しようとしたのですが、約150人しかお呼びできないので、オンライン でつなげることで、1000人以上お呼びできるようにします。

具体的には、「BASE Q」で、プレゼンテーション、カンファレンス、そして約20社によるソリューションコンテストをオンラインで開催します。来場者とオンライン上の方たちに投票していただき、優勝者を決めるというものです。今、一番力を入れて準備しています。

今回のソリューションコンテストは、予選を通過した20社がほぼ違う内容で、それぞれのテーマでAIを駆使しており、非常に面白いと思っています。

9月下旬にやるということ自体、まだアナウンスしていません。そういう意味で、ここで申し上げます。

――OKIのAI人財育成についてご紹介いただけますか?

AI人財の育成については、レベルを設定して、技術者だけではなくて、営業、SE、開発研究者といった部門でレベルを分けて、教育プログラムを作りながら進めています。


坪井正志(つぼい・まさし)氏

取締役専務執行役員

1983年3月、慶應義塾大学工学部卒業

1983年4月、沖電気工業入社

2002年4月、同社マルチメディアメッセージングカンパニー プレジデント

2009年4月、OKIネットワークス 取締役

2011年4月、沖電気工業通信システム事業本部 企業ネットワークシステム事業部長

2014年4月、同社ソリューション&サービス事業本部 情報システム事業部長

2015年4月、同社執行役員 兼ソリューション&サービス事業本部 情報システム事業部長

2016年4月、同社執行役員、情報通信事業本部副本部長 兼 企業ソリューション事業部長 2017年4月、同社常務執行役員、情報通信事業本部長

2019年6月、同社取締役常務執行役員

2020年4月、同社取締役専務執行役員(現)、ソリューションシステム事業本部長(現)

 

(totalcount 1,879 回, dailycount 1回 , overallcount 16,631,050 回)

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