2020/07/16

【寄稿】マフラーを「もっとモコモコに」、AIが画面上で質感変換・素材提案-電通大発ベンチャー感性AI

寄稿

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感性AIは、京王電鉄と、坂本真樹電気通信大学教授の共同出資によって設立された電気通信大学発ベンチャーで、人の感性をAIにより可視化・数値化する技術で、製品開発やマーケティングにおける課題解決を支援しています。

 

商品開発やマーケティングにおけるコミュニケーションや顧客ニーズのヒアリングにおいて、「もっとシュッとしたデザインにしたい」「もっとしっとりした印象にしたい」など直観的であいまいな表現が使われることがあります。このような直観的な言葉などから人の感性やモノの質感を定量化し可視化することで、マーケティング、商品開発、ブランディング、販促とあらゆる場面で効率化や表現の質の向上が期待できます。

 

感性AIでは、電気通信大学の坂本真樹研究室の長年の研究に裏付けされた高い精度と信頼性のあるAIを用いて、言葉と五感・感性との関係性に着目した応用範囲の広い特許技術・知的財産、心理・分析データ、ノウハウを駆使して、企業のさまざまな課題解決を支援するソリューションを提供しています。

AIが質感をシミュレーション

まず、製品開発工程で活用することができるコンサルティングサービスの一例を紹介させていただきます。製品開発の工程で、AIを活用してイメージする質感をシミュレーションし、その質感を実現するための材料の物性値をコンサルティングすることが可能です。

 

 例えば新しいマフラーを開発しようとしたとき、「現在の製品をもっとモコモコした印象に」といった感性的な要望でも、現行の製品画像を基に画面上でさまざまな質感に変換しながら検討し、決定した質感にするための材料の物性値をコンサルティングすることができます。

 

従来は試作を繰り返していた製品開発に、AIで見える化した感性情報や物性情報を組み合わせたシミュレーションを導入することで、開発の生産性向上とコスト削減が可能になります。

ネーミング印象評価サービス


次に、技術を活用したサービスの一例として、「ネーミング印象評価KANSEI – Impression Evaluator for Naming」というサービスを紹介させていただきます。

 

商品のネーミングは消費者の商品選択に大きく影響を及ぼしており、ネーミングを変えて売り上げがアップしたというケースが多く存在します。特にネーミングの音の響きは、商品の第一印象を決定する潜在意識に作用する重要な要素です。

 

アンケート方式での印象評価は時間とコストがかかりますが、本サービスは22の分類から商品ジャンルを選びアイデアを入力するだけで、1分で商品・サービスの分類ごとに最適化された30尺度の値で定量的な評価することが可能です。国立大学での長年の研究実績があり人工知能学会論文賞も受賞している高い精度による評価を即時に行うことができます。

「感性AI空間FUWAKIRA(フワキラ)」

また、大学の知財を活用して「感性AI空間FUWAKIRA(フワキラ)」を展開しています。



さまざまな目的に合わせてAIが自律的に空間をコントロールするもので、AIエンジンが会話や生体情報から「場の空気」を読み取り、映像や照明、音楽、香り、風などを制御して快適性や生産性を高める空間を演出します。これにより、「ストレス緩和」「知的生産性向上」「共感促進」などを実現することができます。

 

この研究テーマは、電気通信大学の坂本真樹教授の研究としてJST(科学技術振興機構)の2017年度「未来社会創造事業」の採択事業としてスタートし、開発したプロトタイプの効果は医療機関と連携して評価が行われました。

 

例えばオフィスの会議室に導入すれば、コミュニケーションの質を可視化し空間をファシリテートすることができ、働き方改革の中で多くの企業で重視されるようになっている会議の生産性向上に役立ちます。会議の質なども数値化していくことで、例えば部署によって会議の生産性に差がある場合、最も生産性が高い会議をする部署のノウハウなどをほかの部署が学ぶことで企業全体の会議の生産性向上につなげることができます。

 

本システムは、教育連携協定を結んでいる日本工学院八王子専門学校へ2019年9月に導入されており、どのような知的生産性向上の効果が出てくるかなどの多様なフィードバックを受けて、さらにブラッシュアップを続けていく予定です。


このほか、

  • 表現したい印象を付与するためのカラー・広告コピーの提案
  • 個々人の感性的ニーズを瞬時に分析・見える化
  • 感性を評価軸にした自社商品のポジショニング分析

といった感性を活用したさまざまなサービスの展開を行っているほか、感性AIの技術やサービスを駆使しさまざまなコンサルティングも行っています。

 

人のうちに秘めた感覚を理解し、表現をサポートしてくれるAIを創ることによって、感性活用のプラットフォーマーになることを目指しています。

虻川勝彦

感性AI株式会社 代表取締役社長 CEO
京王電鉄株式会社 経営統括本部デジタル戦略推進部長

2019年E-JAWS会長就任

・AWS SummitやCybozu Daysなどのイベントでの講演多数



坂本真樹

感性AI株式会社 取締役COO
電気通信大学 副学長
電気通信大学大学院 情報理工学研究科/人工知能先端研究センター 教授

2018年人工知能学会理事就任

・国際会議でのベストアプリケーション賞や人工知能学会論文賞など受賞多数

 

(totalcount 279 回, dailycount 2回 , overallcount 2,858,106 回)

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